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今回はポーカーにおけるブラフについて解説していきます。
- ブラフについて知りたい人
- ブラフを打てるようになりたい人
- ブラフキャッチができるようになりたい人
ポーカーで勝つためには、バリューベットだけでなくブラフベットが必要不可欠です。
しかし、ブラフをすることを難しく感じている人も多いのではないでしょうか。
この記事では、ブラフの基礎知識から具体的な戦略まで解説しているので是非参考にしてください。
ポーカーはブラフをしないと勝てません。
だからブラフはしなければいけないんです!
ポーカーを始めたばかりの初心者です。
ブラフをするっていうけど、どうやってしたら良いのかわからないので教えて欲しいです!
ブラフの仕方やするべきシチュエーションについて紹介していきますね!
まずは「世界のヨコサワ」さんの動画を見て見てみましょう!
この記事のライター
Chika 27歳・ポーカー歴4年
ライブトーナメント獲得賞金額1,500万円超
MTTが得意で年間7~8回ポーカーのために海外遠征する
この記事のライター
Masa 30歳・ポーカー歴2ヶ月
転職を機に北海道から上京し、都内のアミューズメントポーカー店舗でポーカーと出会う。
初心者ながら、ポーカーの魅力を知ってから毎日勉強中
ポーカーにおけるブラフとは?
ブラフとは自分のハンドが相手のハンドに負けていると思われるとき、相手を降ろすためにするベットのことです。
ポーカーはブラフをしないと勝てないと言われています。
その理由として、ブラフがないと相手にバレると、バリューベットにコールをもらえなくなるからです。
ブラフを打つから、バリューにもコールしてくれるようになります。
ブラフには、ピュアブラフとセミブラフの2種類があります。
ここでは、ブラフの種類について詳しく解説します。
- 自分の役が何も完成していない時にするブラフはピュアブラフ
- ドローなど発展する可能性がある時にするのはセミブラフ
ピュアブラフ
ピュアブラフとは、自分のハンドが何も完成しなかったときにするブラフのことです。
相手にコールされるとほぼ確実に負けてしまいますが、成功すれば多くの利益を得られるハイリスク・ハイリターンなブラフです。
相手のアクションや自分のハンドレンジ、ボードなど、様々な状況を鑑みてブラフする場面を選定しなければならないのに加え、ブラフを打ち切る勇気も要求されるので、とても難易度が高いとされています。
ピュアブラフをする際にはシチュエーションやプレーヤーの特徴を判断してからするべきです。
絶対に降りない相手にブラフしてもチップを減らすだけになってしまいます。
セミブラフ
セミブラフは、フラッシュドローやストレート、ツーオーバーなど引いたら逆転できる可能性がある局面で行うブラフのことです。
ブラフの段階で相手をフォールドさせられる可能性がありますし、コールされても役を完成させられればブラフから一転バリューハンドになります。
ピュアブラフに比べて難易度が低いため、初心者の方やまだブラフに自信のない方はセミブラフから練習することをおすすめします。
確かにドローを持っている時は役が完成する可能性があるからブラフしやすいかもしれません。
最初はセミブラフからやってみると良いですね。
ポーカーでブラフを成功させるコツは?
理由やベットサイズなどを深く考えずに漠然とブラフしてしまうと、ブラフはうまく成功しません。
また、ブラフが打ちたい気持ちばかり先行して、降りない状況や相手にブラフしてしまうことは致命的なミスに繋がります。
ここでは、ブラフを成功させるコツを解説するので、ブラフする際は是非参考にしてください。
- ブラフの必要成功率は「必要成功率=自分がコールする額÷ポット+自分がコールする額で求められる」
- コンボ数を数えて降ろしたいハンドと降ろせないハンドを明確にする
- 自分が強い役を完成させるカード(ブロッカー)を持っている
- 相手が自分のベットに対してフォールドするハンドを持っている
- ストーリーを考えてブラフをする
- 十分なスタック量がある
- コールが多い相手にはブラフしない
ブラフの必要成功率を求める
ブラフの必要成功率はオッズ計算に必要な計算式で求めることが出来ます。
必要成功率=自分がコールする額÷ポット+自分がコールする額
ブラフをするときは、コールする額のところをベットする額に置き換えてあげれば計算できます。
なので、例えば10BBのポットに5BBのブラフをするときに必要な成功率は、5÷10+5=0.3333…となるので、33%つまり3回に1回以上ブラフが成功すれば必要成功確率を満たしているということになります。
毎回計算するのが面倒な人は、以下のようにベットサイズから簡単に必要成功確率を求めることが出来ます。
ベットサイズ | ブラフ必要成功確率 |
---|---|
33%(3/1)ベット | 25% |
50%(2/1)ベット | 33% |
75%(3/4)ベット | 43% |
100%(ポット)ベット | 50% |
長期的な期待値を高めるためにはブラフの成功確率を考える必要があります。
ポットベットをする際には2回に1回成功すれば良いと考えると、ブラフをしやすく感じるかもしれません。
降ろせるハンドと降ろせないハンドを明確にする
ブラフを打つ前に、降ろせるハンドと降ろせないハンドを自分の中で整理するようにしましょう。
その際に、相手のコンボ数を数えるようにするのがおすすめです。
コンボとはある2枚のカードの組合せ数のことです。
AAのようなポケットペアの場合は6コンボ、それ以外の異なる数字の組み合わせ、例えばAKオフスーテッドの場合は12コンボ、AKスーテッドの場合は4コンボでそれらを合わせたAK全体では16コンボとなります。
相手のハンドレンジから持ちうるハンドを予想して、そこから降ろせるハンドと降ろせないハンドを明確にすれば、ブラフの成功確率が格段に上がるはずです。
相手のハンドレンジの中で、確実に降ろせないハンドもありますが、降ろせるハンドが多くある時はチャレンジしましょう。
自分が強い役を完成させるカード(ブロッカー)を持っている
自分が強い役を完成させるカードを持っている場合、ブラフをするべきと言えます。
- 相手のもちうるカードの可能性をなくしていたり、狭めていたりするカードのこと
ブロッカーを持っていることによって、相手の強い役の可能性を消し、逆に自分が強いハンドを持っている可能性を高めることができます。
ブラフをする際にはブロッカーの考え方は非常に重要になります。
相手のナッツを抑えているブロッカーは非常に優秀です。
ブロッカーを使ったブラフの例
ここではブロッカーを使ってブラフをする例をGTO Wizardを使って説明していきます。
ブロッカーを押さえていることの重要性を理解できるようにしましょう。
GTO Wizardを自分でも使ってみたい、という方は下のブログから登録してみましょう。
私はBBでA♤5♡を持っていて、MTT, 8max, ES50bbのチップEVのみを考慮するシチュエーションを設定しています。
それではやっていきましょう!
HJの2.3bbのオープンレイズに対して、BBでコール
Flop Q♤9♤5♦︎
BBチェックに対してHJがハーフポットベット、BBがコール
ストレートドローとフラッシュドローが両方見えるフロップでお互いにブラフハンドが多く含まれています。
HJ側はほとんどCBを打っていくようなフロップでチェックをするのはレンジ全体の16%ほどしかありません。
ナッツ級ハンドのQQや99はHJ側に含まれているので、ベットサイズが高めになっています。
Turn 4♤
ターンお互いチェック
ターンはフラッシュドローが完成したカードが落ちてチェックアラウンドになりました。
スペードのないワンペアやストレートドローはチェックの割合が高くなります。
HJがフラッシュを持っている場合はベットを継続する可能性が高いので、HJがフラッシュを持っている可能性が少し減っています。
本当に上手なプレーヤーはこのチェックにフラッシュを残している人もいますが、上手ではない人はこの中にフラッシュがありません。
River 2♦︎
リバーで2のダイヤが落ちて、これはお互いにとってほとんど関係ないカードです。
A♤5♡は5のワンペアですが、相手のAハイやストレートドロー滑りに勝っているので、ショーダウンバリューがあります。
- ショーダウンバリューとは、ショーダウンした時に価値があるかという考え方です。
- 相手のハンドに自分のハンドよりも弱いハンドが含まれている場合ショーダウンバリューがあると言います。
- ショーダウンバリューがあるマージナルハンドはチェックをしてショーダウンを目指します。
ショーダウンバリューがあるときはチェックすると覚えましょう!
ショーダウンバリューがあるかどうかってどうやったらわかりますか?
相手のレンジにどのようなハンドが含まれているのかを考えるとわかりますよ!
GTOを勉強して相手のハンドをレンジで考えることができるようにしましょう。
リバーでチェックしましたが、HJからハーフポットのベットが飛んできました。
このベットにはバリューもブラフも含まれていますが、Aのスペードが相手のナッツフラッシュをブロックしているため、相手は確実にナッツではありません。
Aのスペードというブロッカーを持っていることを活かしてオールインするという選択を取ることができます。
もしリバーでチェックレイズオールインをした場合に相手のハンドはコールできるハンドの方が少ないことがわかります。
相手のナッツの可能性を完全に消していて、なおかつ自分にナッツの可能性があります。
相手のスペードのないQヒットやJJ、TTなどの負けているハンドを降ろすことができます。
相手が自分のベットに対してフォールドするハンドを持っている
ブラフをする際にはブラフをした時に相手が降りてくれるハンドを持っているかを考えることも重要です。
ブロッカーとは逆で、相手の降りるハンドをブロックしていないことを考えます。
相手のフォールドするハンドを押さえていないことはある程度お互いのレンジが絞られた状態の時により考える必要があります。
こちらもGTO Wizardの画像を参考に見ていきましょう。
私はBTNでA♤10♤を持っていて、MTT, 8max, ES50bbのチップEVのみを考慮するシチュエーションを設定しています。
それではやっていきましょう!
BTNから2.3bbのオープンレイズをしてSBからの9.2bbの3ベットにコール
Flop K♡J♦︎3♡
フロップはチェックアラウンドで終わりました。
SBはアウトオブポジションでチェックのレンジが半分以上を占めています。
相手のチェックに対してこちらはチェックとベットの混合戦略になっています。
Turn 5♦︎
ハートとダイヤの2種類のフラッシュドローが見える盤面になりました。
SBからのハーフベットにA♤T♤はコールかフォールドです。
相手のこのハーフベットにはバリューはKヒットが多く、ブラフはフラッシュドローとストレートドローになっています。
A♤T♤は相手のブラフには勝っているので頻度でコールしなくてはいけません。
River 8♣️
リバーは8♣️でお互いにとってあまり関係のないカードです。
SBのチェックに対してBTNのA♤T♤は半分以上の頻度でオールインをします。
A♤T♤とA♣️T♣️がオールインで、A♡T♡とA♦︎T♦︎がチェックになっているのは、♤と♣️は相手のフラッシュドローを抑えていないため、相手がフォールドするフラッシュドローミスをブロックしていないからです。
相手のドローミスをブロックしていないのはブラフをする上で考えるべきことです。
この時はGTOではKやJ、8までコールすることになっています。
ライブでポーカーをしていると、GTO通りにコールする人はほとんどいないです。
Jや8は降ろせる可能性が高いことを加味すると、オールインの割合がさらに高くなると感じています。
確かにリバーでこのシチュエーションでオールインされたら、僕ならフォールドしてしまいます。
私の経験上、ライブポーカーでのリバーのブラフは本当に少ないため、逆にリバーでオールインするとオーバーフォールドさせられます。
ストーリーを考えてブラフをする
ストーリーとはそのアクションに至るまでのアクションの経緯と理由付け(物語)のことです。
ブラフする際には必ず主張したいハンドを自分の中で設定し、そのハンドを自分が実際に持っているときと同じプレイが出来ているか考えながらブラフするようにしましょう。
相手に矛盾があると判断されてしまうと、簡単にブラフキャッチされてしまうことがあります。
ブラフするときは、主張したいハンドと同じアクションを常に心がけましょう。
ブラフをしている時は主張したいハンドを持っていると自分に言い聞かせてブラフをすると良いです。
ポーカーは4回のアクションラウンドがあるので、それぞれの流れを大事にしましょう。
いきなり思い立ったようにブラフするのは良くないんですね。
そうです!
フロップからでターンリバーでどのようなカードが落ちたらブラフするかをあらかじめ決めておくと良いです。
十分なスタック量がある
十分なスタック量がないとブラフをした時に相手を降ろすことができません。
ブラフの成功確率があるのと同じようにコールした時に必要な成功確率もあります。
計算はブラフの時と同じで、ポットベットにコールした時に必要な成功確率は50%ですし、ハーフポットの場合は33%の勝率が必要です。
ベット額が安くなるほど、コールするのに必要な勝率が下がるためコールしやすくなってしまいます。
ブラフをする際にはエフェクティブスタックを考えながら、ベット額を考えるようにしましょう。
相手の降ろしたいハンドを考えて、その際に相手の必要勝率を満たさないようなベット額を打てるようになりましょう。
なかなか難しそうですが、これができるようになったら必要最低限の額でブラフができるようになりそうです。
コールが多い相手にブラフをしない
コールが多い相手は、ブラフにも当然コールする確率が高いです。
そのような相手にブラフをするのは基本的に避けましょう。
しかし、コールが多くてもドローハンドでリバーまでついていくプレイヤーなどは、ブラフが有効になるときもあります。
ブラフの基本ではありますが、相手の特徴やボードを見極めてブラフ出来そうかどうか判断するようにしましょう。
降りないプレーヤーに対しては大きいベットをしてより大きいミスを誘発するのがエクスプロイトです。
ベットの頻度ではなく額をあげて利益を高めていきましょう。
ポーカーでブラフをするメリット
ポーカーでブラフを使うことができるようになれば、利益が増えるのは当然のことですが、相手はブラフかバリューかの判断がつきにくくなり、その分だけミスを誘いやすくなります。
他にもブラフをするメリットがあるので、以下の段落で解説していきます。
- 役が弱くてもポットを獲得できる可能性がある
- ブラフかバリューか区別がつきにくくなる
- ブラフが決まった時気持ちよい
ブラフは目先の利益だけでなく、長期的な利益を増やすことができる戦略です。
役が弱くてもポットを獲得できる可能性がある
ブラフが成功すれば、当然ポットを獲得することが出来ます。
負けているハンドで相手を降ろして勝てることがブラフの最大のメリットです。
ブラフをすることによって、ポットを獲得する機会が増えるので、ポーカーで勝つ確率を上げることにつながります。
ブラフかバリューか区別がつきにくくなる
ベットにバリューとブラフが同じくらい含まれていると、相手はバリューとブラフの区別がつかなくなり、バリューにコールしてくれたり、ブラフをフォールドしてくれる可能性が高くなります。
ブラフを適切に行うことで、相手を常に難しい決断に追い込むことが出来ます。
ブラフを一定頻度で打つことによって、相手はどうプレイするか難しくなってしまいます。
ブラフが決まったとき気持ちよい
ブラフが決まったときがポーカーで最も気持ちよい瞬間の1つと言っていいでしょう。
ポーカープロが信じられないようなハンドでブラフを成功させる動画がよくありますが、自分がブラフを成功させたときは一流のポーカープロになったかのような感覚を味わえます。
また、トーナメントの行方を左右するような大事な局面でのブラフ成功や、大きなチップがかかった勝負で成功させたときなどは、気持ちいいだけでなく、勢いづいてその後のプレイに好影響を与えてくれる可能性もあります。
WSOP 2024の$2,500 NLH Freezeoutのファイナルテーブルのヘッズアップの場面です。
リバーでお互いブラフでベットをし続け、オールインブラフをしたプレーヤーがポットを獲得しました。
ポーカーでブラフをするデメリット
前段の通り、ブラフにはメリットが多くありますがその分だけデメリットも多いです。
また、ブラフする頻度やスポットを間違えてしまうと致命的なミスとなってしまうこともあります。
デメリットをよく理解して、ブラフを上手に打てるようになりましょう。
- 損失が大きくなる可能性がある
- レイズされる頻度が高くなる
- リスペクトがなくなる
- ブラフ過多になってしまう可能性がある
損失が大きくなる可能性がある
ブラフにコールされれば当然その分だけチップを失うことになります。
特にピュアブラフの場合は、相手を降ろすことが出来ないと捲り目も薄く、その後かなり厳しい状況になります。
早い段階でのブラフにコールされた場合は、意地になってブラフを継続するのではなく、一度落ち着いて状況を整理したあと、ブラフを継続するか諦めるか判断するようにしましょう。
常に相手のハンドを想定してブラフをするか否かを考えるようにしましょう。
レイズされる頻度が高くなる
ある程度ブラフが存在する環境では、ブラフで降ろされるのを防ぐためにレイズを増やすことが推奨されます。
そのため、特にセミブラフの場合は勝負するかフォールドするか難しい決断を迫られることが多くなるでしょう。
また、相手やステークスにもよりますが、レイズされる頻度が極端に高くなったと感じることがあれば、ブラフ過多を相手に見抜かれてレイズされている可能性があります。
ポーカーはバランスです!
特に強いプレイヤーを相手にするときはバランスを意識してプレイするようにしましょう。
リスペクトが無くなる
ブラフ過多のプレイヤーはテーブルの他のプレイヤーのリスペクトをなくします。
リスペクトとはプレイヤーのアクションにどのくらいの信用があるかという意味で、テーブルでリスペクトがなくなってしまうとベットやレイズなど本来強いアクションに信用がなくなってしまい、ブラフが通りづらくなってしまいます。
反対に、テーブルからリスペクトがあるプレイヤーだと、ブラフにフォールドしてくれる可能性は高くなります。
自分のイメージを大切にしながら、ブラフするスポットはしっかり選ぶようにしましょう。
また、ブラフが成功すると嬉しさからかハンドを見せるプレイヤーがいますが、やりすぎるとリスペクトがなくなる可能性が高いです。
また、ブラフしたと分かれば、そこからブラフしたハンドやベットの癖を見抜かれてしまう可能性があるので、ブラフが決まった喜びは自分の中だけにしまっておいたほうが無難です。
ブラフ過多になってしまう可能性がある
ブラフを行うデメリットとして、ブラフ過多になってしまう可能性があることも挙げられます。
ブラフは成功すると弱いハンドでポットを獲得することができてしまうので、気持ちが慢心してしまい繰り返しブラフを行ってしまう場合があります。
ブラフ過多になってしまうと、他プレイヤーからのリスペクトがなくなってしまい弱いハンドからでもコールされてしまう可能性があるでしょう。
ブラフ過多になってしまっている人は、ブラフをするべきではないハンドまでブラフをしてしまっている可能性が高いです。
自分のプレイを復習して正しいプレイなのかを考えるようにしましょう。
ポーカーでブラフキャッチする時のコツは?
ブラフするときにコツがあるように、ブラフキャッチするときにもコツが存在します。
ブラフキャッチするときは必ず自分の中で根拠を明確にしてコールするようにしましょう。
「ベットサイズがブラフっぽい」「今までチェックしていたのにいきなりベットしたからブラフだろう」などと主観的な根拠ではなく、常に客観的な根拠を探すとブラフキャッチが成功しやすくなるはずです。
また、今から解説するコツはそれぞれ独立しているわけではないので、3つすべて使ってブラフキャッチの可否を判断することを心がけてください。
- 相手のレンジからコンボ数を数えてオッズ計算をする
- ブロッカーを活用して相手のハンドを絞り込む
- 相手のアクションや体のテルを見る
オッズを計算する
ブラフキャッチするためにはまずオッズ計算することをおすすめします。
オッズ計算は、コンボの考え方を応用することでも計算できます。
以下で、例を出すのでぜひ考えてみてください。
例:自分がA♡10♤でレイズしたポットでBBがコール、ボードがA◇10◇9◇3♤5♧です
問:リバーで50%のベットをされた時A10のツーペアはブラフキャッチできるでしょうか?
- 相手はAKのツーペア以上で絶対にバリューベットを打ち、フロップでオープンエンドストレートドローになったQJと89、ガットショットのKQを絶対にブラフ、それ以外はチェックしているとします。
- また、フラッシュはKx~Jxだけを持ちうると仮定します。
答え
↓
↓
↓
解説:自分が負けているハンドは33、55、TT、Kx◇、Qx◇、Jx◇で、そのコンボ数は33と55が3コンボずつ、TTが2コンボ、Kx10コンボ、Qx9コンボ、Jx8コンボの計35コンボです。
自分が勝っているハンドは、QJと87、KQで、そのコンボ数はKQとQJが15コンボ(Q◇J◇とK◇Q◇に負けているため)、87が16コンボの計46コンボです。
ベットレンジに考えられるコンボの合計が93で、そのうちの46コンボはブラフなので、勝率は46÷81=0.567で約57%と導出できます。
50%ベットにコールするために必要な勝率は33%なので、相手のベットレンジに57%の勝率があるATはブラフキャッチするには十分だとわかります。
このように、相手のコンボ数を数えて計算することで数学的にブラフキャッチが正当化されるかどうか知ることが出来ます。
でも実際にこの条件でプレーしている人は少ないですよね?
そうですね。
人によってバリューの下限が異なっていたり、ブラフが少なかったりします。
そんな時はどうするんですか?
1人1人のプレーを観察して、見極めるしかないです。
それを攻略していくのがポーカーの面白いところだとも思います。
なるほど、ブラフを一つするにもいろいろな要素があるんですね。
ところで、先ほどのオッズの計算は少し難しく感じました。
少し複雑ですが、慣れれば素早く導き出すことが出来るようになるので、慣れるまでたくさん練習を重ねましょう
オッズの計算に関してはこちらの記事で詳しく紹介しています。
ブロッカーを活用する
ブロッカーとは、自分の持っているカードが相手の出来うる役の組み合わせを減らしていることです。
例えばハートのフラッシュが有りうるボードで自分がA♡を持っていた場合、自分は相手のナッツフラッシュをブロックしているという状態になります。
相手のバリューハンドをブロックしているときはややコールに寄り、自分が相手のブラフハンドをブロックしているときはややフォールドに寄ります。
しかし、あくまで可能性を減らしているだけで、一枚のみしかブロックしていない時などはコンボ数にさほど明確な差が出ないこともあるため、やはり他の考え方と合わせて使うことが望ましいです。
プロポーカープレイヤーの「世界のヨコサワ」さんの動画も参考にしてみると良いかもしれません。
相手のテルを見る
相手のテルも非常に有効な判断材料です。
テルとは癖という意味で、アクションなどのプレイ自体から出るテルはもちろん、ライブポーカーでは、目線や手の動き、会話など身体的なテルも含まれます。
一般的に弱いと判断されるテルの例を挙げると、まず1つ目は速すぎるアクションをしてしまうことです。
自分のハンドが強い場合は、ベットかチェックか、ベット額などを考えるので、ある程度時間がかかるはずです。
しかし、アクションが速すぎると、考えていない=考えるほどハンドが強くないとされ、典型的な弱いハンドのときのテルとして知られています。
他にも、ブラフのときにベットサイズが極端に大きくなったり、小さくなったりすることがあります。
しかし、このテルはブラフで大きく打つ人と、バリューだから大きく打つ人どちらもおり、小さいサイズのベットにも同様のことが言えるので、このテルは相手の傾向を知ったうえで判断するのが良いでしょう。
他にも、ベットしたあと早口で饒舌になる、前傾姿勢になる、手が震えている、何度もチップに手をかけたりやめたりしているなど身体的なテルも多くあります。
特にライブポーカーでブラフキャッチをするときは、アクションのテルだけでなく身体的なテルも感じ取れるようになるとより戦いやすくなるでしょう。
私はライブポーカーをよくしますが、アクションが本当にどっちでも良いと思われる時は相手のテルを見て判断します。
テルってそんな簡単に見つけられるもんなんですか?
実践練習を重ねていくと、プレーヤーごとのテルも見つけることができるようになります。
Chikaがブラフをするときに考えていること
私(Chika)はMTTが得意で一年に7~8回ほど海外遠征をしています。
そんな私の考えるブラフの仕方について教えます!
ライブトーナメントをプレーしている時はこれを意識しているということを6つ紹介します。
- 相手のプレーヤーのプレースタイル
- 相手のプレーヤーの表情・仕草
- ナッツ級ハンドをブロックしている
- 自分が相手からどう見られているのか
- 相手のハンドレンジにこちらのベットに対してフォールドするハンドが残っているか
- これまでのストリートと合わせて考えたときに、バリューハンドが存在しているか
相手のプレーヤーのプレースタイル
ブラフをするかどうかを判断する際には、相手がどのようなプレーヤーなのかを考えます。
タフにコールする相手であればブラフの頻度は下げなければいけません。
逆に、こちらのベットに対してオーバーフォールドするプレーヤーであれば、ブラフをする頻度を増やします。
トーナメントの序盤では、同卓しているプレイヤーがどのようなプレイヤーなのかを観察します。
ポーカーは相手に合わせてプレイを変えることで利益を最大化させることができます。
相手にアジャストすることで利益の最大化を目指す戦略をエクスプロイトと言います。
相手のプレーヤーの表情・仕草
こちら側のベットに対してテルが出てしまうプレイヤーは少なくないです。
例えば、スナップコールはナッツ級ハンドを持っている可能性が低いですし、モノトーンボードが落ちたときに自分のハンドを確認するのはオフスートハンドを持っている可能性が高いです。
こういったテルを理解していると、ハンドに関係なくブラフを成功させる可能性が高くなります。
ポーカーのテルに関しては別の記事で詳しく紹介しています。
ナッツ級ハンドをブロックしている
ナッツ級ハンドをブロックしている際には、ブラフをする頻度が上がります。
例えば、ボードに3枚のダイヤが落ちていて、自分がダイヤのAを持っている場合は自分にしかナッツの可能性がないため、ブラフに回すことも多くなります。
そもそもAハイでショーダウンバリューがある場合もあるため、相手のプレイに合わせてプレイすることも重要です。
自分が相手からどう見られているのか
ブラフをする上で自分が相手からどう見られているのかを考えることも非常に重要な要素の一つです。
自分がブラフ頻度が多いと思われているなら、ブラフをする頻度を下げなければいけません。
逆に、自分が固い印象を持たれているならブラフの頻度を高くすることも考えます。
相手から見た自分の印象は常に考えてプレイするべきです。
相手のハンドレンジにこちらのベットに対してフォールドするハンドが残っているか
相手のハンドレンジにこちらのベットに対してフォールドするハンドがある程度含まれている必要があります。
例えば、4betポットなどのお互いのハンドレンジが非常に限定的なスポットでブラフをするのは非常に難しくなります。
というのもお互いに非常に強いレンジで戦うことになるからです。
特にライブポーカーでは、4betまで行ったときにはお互いにプレミアハンドしか含まれていないといった状況に多くの場合なるため、ブラフをするのが非常に難しいです。
ポーカーのハンドレンジについては別の記事で確認しましょう。
これまでのストリートと合わせて考えたときに、バリューハンドが存在しているか
ブラフをする際にブラフのストーリーを作ることは一番重要です。
自分がバリューハンドを持っていた時と同じようにブラフをすることが重要です。
ブラフは自分が強いハンドを持っていることを主張しなければいけないため、強いハンドが自分のハンドレンジに残っていると気にしなければなりません。
ポーカーのバリューベットについての記事も確認してみましょう。
Chikaがブラフキャッチをするときに考えていること
次はブラフキャッチをするときに考えていることについて紹介していきます。
ブラフキャッチを確実に成功させることはできませんが、確率を高めることはできます。
- 相手のベット頻度が明らかに高い
- 相手の主張するハンドのブロッカーを持っている
- 相手のドロー滑りをブロックしていない
- 必要勝率を満たしている
相手のベット頻度が明らかに高い
相手のベット頻度が明らかに高い時は一定以上の頻度でブラフキャッチをしにいきます。
ベット頻度が高いかどうかはプレーしながら常に観察する必要があります。
例えば、CBを打ちすぎていたり、ショーダウンされたハンドが何も関係のないハンドでブラフをしている時などです。
相手のベット頻度が高いか否かは相手のプレイを観察している必要があります。
私はライブポーカーをプレイする時は携帯をなるべく触らずに、相手のプレイや仕草を観察してます!
相手の主張するハンドのブロッカーを持っている
ポーカーはベットサイズによって主張するハンドが異なります。
例えば、オーバーベットは非常に強いアクションのため、ハンドがポラライズされていることが多いです。
- 非常に強いか非常に弱いか両極端であること
オーバーベットを打つ際にはナッツ級ハンドである必要があります。
そのため、ボードを見てナッツ級ハンドを抑えているブロッカーを持っているのならブラフキャッチに行く可能性を考えます。
もちろん全てのハンドでブラフキャッチに行くのではなく、それまでのアクション、相手の仕草など全てを総合的に判断した上で決断することになります。
相手のドロー滑りをブロックしていない
リバーでストレートやフラッシュが完成しないカードが落ちたときに、相手のベットに対してストレートやフラッシュをブロックしていないハンドはブラフキャッチをすることを検討します。
相手が持ちうるドローを押さえていないことによって、相手がドローを持っている可能性が上がるからです。
特にフラッシュドローが存在するボードではブラフキャッチに行くことを考えます。
必要勝率を満たしている
相手のベットに対して必要勝率を満たしている場合はブラフキャッチに行くことを検討します。
しかし、必要勝率を満たしているかどうかは、そのストリートで相手の持ちうるハンドのコンボ数を数えることができなければいけません。
バリューとブラフのコンボ数を数えてコールするかフォールドするかを決めます。
コンボ数を数えるためには相手のハンドレンジを想定できなければいけません。
ハンドレンジの想定はGTOWizardを使うと良いです。
ポーカーのブラフに関するよくあるQ&A
ここではブラフに関するQ&Aを紹介していきます。
- ポーカーのブラフの適切な頻度を教えてください
- ポーカーでブラフをするおすすめのタイミングは?
- 初心者がブラフをやってはいけない理由はなんですか?
- ブラフがうまい人の特徴はなんですか?
- ポーカーでブラフ禁止のルールはある?
- ポーカーのブラフコールとは?
- ポーカーでブラフの反対は何ですか?
- ブラフ打ちとは?
ポーカーのブラフの適切な頻度を教えてください
ブラフの適切な頻度は20%程度から50%までです。
これは、ストリートやベットサイズにもよりますが、ブラフ頻度が50%を超えると数学的に正しく無いプレイとされています。
しかし、これはあくまで数学的な話なので自分のプレイしている環境や相手に合わせることが大切です。
それでも、初心者の方は3回に1回以下程度の頻度に抑えておくのが無難でしょう。
MTTの序盤ではなるべく無理なブラフをせずに相手のアクションの特徴を掴むようにしています。
なんで序盤ではブラフをあまりしないのですか?
序盤は相手の特徴を掴むことに集中しています。
序盤でチップを減らしたとしても中盤から終盤にかけて取り返すことができます。
ポーカーでブラフをするおすすめのタイミングは?
自分のレンジに有利なカードが落ちたときや、相手がよく降りるプレイヤーの時などです。
また、フロップのCBには多くのブラフを含ませることが推奨されています。
また、今回の記事で解説したコツを満たしたときがブラフのおすすめのタイミングです。
特にMTTでは、フロップで100%の頻度でCBを打つレンジがあります。
100%でCBを打つときはどんなシチュエーションなんですか?
レンジCBはアグレッサー側のレンジにしか強いハンドが残っていない時、もしくは相手のレンジの中に強いハンドがない時に多く使用されます。
詳しくは下の記事で説明しています。
初心者がブラフをやってはいけないと理由はなんですか?
ブラフは考えることも多く、特に難しいアクションだからです。
また、初心者のうちは、基礎をしっかり理解していさえすればブラフなしで勝てることも多いです。
更に初心者の方がプレイする環境ではブラフが効きづらいことも多く、ブラフすることでかえって損失が大きくなることもあるので、やってはいけないとされることがあります。
初心者でブラフをしたいときは、リスクの大きいピュアブラフではなくできるだけセミブラフをするようにしましょう。
初心者の方はセミブラフでベットして、引いた時だけ継続して打つのが良いかもしれません。
ブラフがうまい人の特徴はなんですか?
ブラフがうまい人はブラフするべきタイミングやハンド、バランス、ベットサイジングが良いことが多いです。
上記で記したように、自分がブロッカーを持っていたり、相手の心情を理解していたり、またバリューとのバランスが取れているといった特徴が挙げられます。
ブラフがうまい人はポーカーがうまいと言えます。
トム・ドワンのブラフはとても見所が多くて面白いです。
数千万円をブラフに使うなんて相当勇気が必要ですね。
ポーカーでブラフ禁止のルールはある?
ポーカーでブラフ禁止のルールは、基本的にありません。
仲間同士であえて禁止にするということはあるでしょうが、トーナメントなどでそのようなルールが採用されることはありません。
というのは、ブラフのような心理戦は、ポーカーが運ゲーでなくなる重要な要素の一つであり、禁止することの弊害の方が明らかに大きいためです。
また、最弱のハンドならともかく、中程度のハンドであれば「これで勝てると思った」と本人がいえば、それはブラフではないのです。
そのため、ブラフ禁止のルールを仮に定めると、結局は「2と3のワンペアでのレイズ(これをブラフと考える)は禁止」など、ハンドの強弱についてもルールを定める必要が出てきます。
これは当然ポーカーの自由度を損なうため「ブラフを禁止する理由はそもそもない」といえるでしょう。
ポーカーのブラフコールとは?
ポーカーのブラフコールとは「相手を後半のラウンドでフォールドさせ、弱いハンドでもポットを勝ち取ること」です。
例えばレイズの後に順番が回ってきた際、相手がチェックをしたりフォールドしそうな気配を見せるなどした場合は、ブラフコールが成功する確率が高まります。
ポーカーでブラフの反対は何ですか?
ポーカーでブラフの反対は「サンドバッグ」です。
サンドバッグとは、自分を弱そうに見せることです。
弱そうに見せる理由は、できるだけ相手をフォールドさせず大きな金額をベットさせ、利益を最大化するためです。
そのため、強いハンドを持っていて勝てる可能性が高い時にサンドバッグを行います。
ブラフ打ちとは?
ブラフ打ちとは、ポーカーでブラフを仕掛けることです。
ブラフとは「自分が強いカードを持っていると見せかけ、相手を勝負から降ろす」手法のことです。
ブラフとは直訳すると「嘘」という意味であり、自分のハンドが弱い時に演技によって強いと思わせ、勝利を狙います。
【まとめ】ポーカーのブラフについて
ポーカーのブラフについての記事はいかかでしたでしょうか。
本記事では計算も多く登場してきたので、始めは覚えることや計算することが大変かもしれませんが、一度覚えてしまえばブラフやブラフキャッチで迷う場面は今よりずっと少なくなるはずです。
特にコンボ数とオッズ計算は普段から意識して計算するのがおすすめです。
この記事で紹介したようにポーカーが上手な人はブラフが上手いです。
ブラフをうまく使いこなせるようになってポーカーで勝てるようになりたいです!