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ポーカーでチップを増やす方法は、バリューベットとブラフベットの2種類しかありません。
今回はそのうちの一つ、バリューベットについて解説していきます。
役が強いからといってただ単にベットするだけでは、バリューベットうまく取ることができません。
この記事では、バリューベットの方法について解説していきます。
この記事のライター
Chika 27歳・ポーカー歴4年
ライブトーナメント獲得賞金額1,500万円超
MTTが得意で年間7~8回ポーカーのために海外遠征する
この記事のライター
Masa 30歳・ポーカー歴2ヶ月
転職を機に北海道から上京し、都内のアミューズメントポーカー店舗でポーカーと出会う。
初心者ながら、ポーカーの魅力を知ってから毎日勉強中
ポーカーのバリューベットとは
バリューベットとは、自分が勝っている可能性が高いとき、相手からチップを奪うためにするベットのことを指します。
バリューベットすることで、相手がコールしてくれれば、ポットのチップも増え、自分が得られるチップの量も増加します。
ポーカーでチップを増やす手段として一番大事なのはバリューベットであるため、バリューベットをうまく打てるプレイヤーはチップを増やしやすい傾向にあります。
ブラフベットよりもバリューベットでチップを増やす機会の方が多いため、ブラフよりもまずはバリューをマスターできるようになりましょう。
ブラフベットは自分が負けていると思った時に、相手を降ろすために行うベットやレイズのことです。
ポーカーのブラフに関しては別の記事で詳しく解説しています。
何でブラフよりバリューのほうが大事なんですか?
ブラフが決まったらかっこよくないですか?
バリューでコールをもらったらその分のチップももらえるじゃないですか。
ブラフだとコールされない前提なのでその分のチップはもらえないですよね?
確かに、バリューが決まった時のほうが多くチップを獲得することができますね。
ポーカーのバリューベットをする理由
バリューベットをする理由はいくつかありますが、チップを増やすためにするというのが主な理由です。
より具体的にどうしてバリューベットをするのかを説明します。
- 得られる利益を最大化するため
- ブラフをより多く成功させるため
得られる利益を最大化するため
バリューベットを行う一番の理由は、自分が得られる利益を最大化するためです。
ポーカーで重要なのは勝ち負けの回数ではなく、多くのチップを獲得することです。
実際に強いプレイヤーと弱いプレイヤーの獲得するポットの回数はほとんど変わらないと言われています。
彼らの違いはバリューベットでどれだけ多くのチップを獲得しているかにあります。
強いハンドで何回も勝利しても、それがチップの獲得に繋がらなければ、そのプレイは効果的ではありません。
自分の持っているハンドが相手よりも強いことを利用し、相手にコールさせてより多くのチップを獲得を目指します。
バリューベットを打てるシチュエーションにきた時に、どのくらいのサイズを打つのかを考えながらプレーするとより理解が深まります。
どのくらいのサイズを使うのかを決める際には何を基準にしたら良いのですか?
相手が持ちうるハンドレンジを考えてその上で、コールしてもらえる最大限のサイズを考えます。
ブラフをより多く成功させるため
ポーカーのベットには、基本的にバリューベットとブラフベットの2種類あります。
もし、バリューベットを打たなかった場合ほぼ全てのベットがブラフベットになってしまい、相手はほとんどのハンドでコールすることが正解になってしまいます。
逆に、バリューベットを打つことで相手は多少強いハンドも降りる必要があり、ブラフをより成功させることが可能になります。
適切なバランスでバリューベットとブラフベットを混合させることが均衡解の最適な戦略です。
均衡解とはGTO(Game Theory Optimal)のことであり、これを学ぶことによってポーカーの勝率を上げることができると言われています。
ブラフをする理由はバリューにコールをもらうためです。
バリューにコールをもらえるのならわざわざブラフをする意味はありません。
ポーカーのバリューベットするときに意識すること
ただ、単に自分が勝っているときや勝つ可能性が高い時に、ベットをすればいいわけではありません。
バリューベットをするときに意識すべきことをみていきましょう。
- バリューターゲットを想定する
- 自分のハンドの強さを理解する
- 相手のプレイスタイル
- バリューベットの下限レンジ
バリューターゲットを想定する
利益を最大化させるためには、バリューターゲットを想定することが不可欠です。
バリューターゲットとは、自分より弱いハンドを持ち、ベットにコールしてくれるハンドのことです。
自分が強い役を持ってベットしても、相手にコールを貰えなければ意味がありません。
相手は、勝率が低いと思った時は、損失を最小限に抑えるためにフォールドする傾向にあります。
しかし、相手側にも勝率が一定数ある場合(ストレートやフラッシュドロー、ミドルヒット等)、フォールドするのも難しいです。
相手の立場で考えると、既に役ができている時や役が完成する可能性がある時に降りしてしまうのは勿体無いです。
逆にドローもないハンドやボトムヒット、ローポケットはフォールドしやすいでしょう。
このようにバリューベットをするときは、コールしてくれるハンドを想定しましょう。
ライブポーカーではコールしすぎたり、フォールドしすぎたりするプレーヤーが多いので、プレイヤーごとにどのくらいのベットサイズを選択するべきなのかを考える必要があります。
プレイヤーごとの特徴はどのようにして理解するのですか?
仕草やショーされたハンドなどプレイヤーをよく観察して特徴を理解します。
ポーカーのテルについては別の記事を参考にしてみてください。
自分のハンドの強さを理解する
バリューベットをするときは、自分が持っているハンドがどれぐらい強いかを評価できることが大切です。
自分のハンドが強いと思ってベットしても、相手がそれよりも強い時は、失うチップを増やしてしまいます。
つまり、自分のハンドの強さを正確に評価し、その強さに基づいてベットすることが重要です。
しかし、自分のハンドの強さがわからない時の方が多いです。
コミュニティカードを基にどのような役を完成する可能性があるのかを把握することが重要です。
そして、ナッツから自分のハンドが、どれほどの位置にあるかを考えましょう。
- その時点での出来うる最強の役のこと
例えば、フロップにT、J、Q(スートは異なる)がある時は、ハンドにAとKがあればストレートが成立します。
この時、Aハイのストレートが一番強い状態(ナッツ)です。
また、9~Kのストレートが2番目に強い状態(セカンドナッツ)です。
K9や89のストレートもバリューベットが打てる強いハンドですが、レイズが返ってきた来た際は、相手がさらに強い役を持っている可能性も忘れてはいけません。
私がもしAKのストレートを持っていたら、相手のQやJヒットに向けてバリューベットを打ちます。
ブラフであれば、ナッツストレートをブロックしているKハイなどで打ちます。
相手のプレイスタイル
バリューベットを成功させるためには、相手のプレイスタイルを理解することも重要です。
役がない時もコールするのか、それともある程度強い役でないとコールしないなど、相手の傾向は見えてきます。
相手が強い時にしかコールしないタイプであれば、コールされた時には自分が負けている可能性が高いので、ベットする時には注意しましょう。
さらに、自分からはベットしないけど、ベットにはコールを多用する、またはフォールドorレイズを多用するプレイヤーもいます。
また、ドローを重視するプレイヤーは、ターンやリバーのカードを見るために、コールしやすい傾向にあります。
これらの要素を理解し相手に合わせたプレイをすることで、バリューベットをより効果的に行うことができます。
GTOではなく、相手に合わせて最大限の利益を生み出そうとする戦略をエクスプロイトと言います。
エクスプロイトに関する詳しい記事はこちらです。
バリューベットの下限レンジ
バリューベットは、強い役のため確実に打つハンドと絶妙な強さであるがバリューターゲットがあるバリューベットがあります。
ポーカーの専門用語として、ある強さ以上のハンドではバリューベットを打つ!場合での一番弱い役を下限レンジと表現します。
例えば、QのワンペアでJのワンペア以下のハンドにバリューを取れる際は、バリューベットを打つことが期待値が高くなり常に下限レンジを意識することが重要です。
バリューベットの下限は相手のハンドにどのようなハンドが残っているのかを考える必要があります。
リバーまでのストリートの中で消えているレンジが存在するので、それを考えながら相手のレンジを特定します。
ポーカーのバリューベットに関する注意点
バリューベットは利益を最大させる効果的な手段です。
しかし、これから紹介することを注意してないと、バリューベットを成功させることはできません。
- ベットサイズ
- バリューとブラフのバランス
- ポジションを活かす
ベットサイズ
バリューベットを成功させるためには、ベットサイズも注意すべき項目の一つです。
バリューベットの目的は、相手にコールしてもらい、利益を最大化させることです。
したがって、相手にコールしてもらえる最大のベット額を考える必要があります。
例えば、利益を最大化するためにオールインも選択肢にあります。
しかし、相手がオールインを期待値が高い(=オッズが良い)と思わなければ、コールしてくれないでしょう。
期待値については、こちらの記事で紹介します。
「ポーカーの期待値|計算方法・上手く使う方法を解説」
スタックサイズやボードのカードにもよりますが、ポットサイズに対して大きすぎるベットは期待値が低いと見なされます。
初心者のうちは、ベットサイズをポットの30%,50%,100%の3つに分けるのがオススメです。
3つのうち、どのサイズであればバリューターゲットが、期待値に合うと思ってくれるか、考えましょう。
相手のスタックサイズが小さい場合は、リバーでオールインを要求できるように、フロップやリバーでベットサイズを調整する戦略もあります。
リバーで気持ちよくオールインできるようにフロップやターンのベット額を調整することをジオメトリックサイジングと言います。
バリューとブラフのバランス
バリューベットを行う際には、バリューとブラフのバランスに注意しましょう。
バリューベットばかりを行なっていると、「このプレイヤーはバリューを取れる時しかベットしてこないので、ベットされたら降りる」という戦略を採用されてしまいます。
相手が降りることで、ポットを得ることはできますが、コールしてくれない分、得られる利益は少なくなってしまいます。
あまりにバリューベットに偏っていると、長期的には利益を最大化させることは難しいため、ブラフも混ぜていく必要があります。
もちろん、ブラフにはキャッチ(=コール)されるリスクもあります。
しかし、キャッチされても、バリューベットとブラフベットの両方を行うプレイヤーとして認識されることで、相手はアクションの選択が難しくなります。
「このベットはバリューベットではなく、ブラフベットかもしれない。ある程度の勝率がであればコールすべき」という理由でコールする可能性があります。
プリフロップのハンドレンジ通りにアクションできたとしても、常に強い役ができるわけではありません。
そのため、ブラフをうまく使い、バリューベットとブラフベットのバランスを取ることが重要です。
ライブポーカーをしていて思うことは、ブラフの割合が適正値よりも少なくなっていることです。
特にポーカーのあまり上手ではないプレイヤーからの大きいベットにはブラフが混ざっていません。
確かに大きいサイズにブラフが混ざっているのは上手なプレイヤーだけですね。
これは結構ホントのことなので、プレイヤーのレベルを見て上手いなと思う人かどうかを決めましょう。
ポジションを活かす
ポジションは、バリューベットにおいても重要な要素です。
なぜなら自分のポジションによって、得られる情報量が変わるからです。
自分がインポジション(=後にアクションできる)の場合は、相手のアクションを見てから、バリューを取るためにベットをするか、リスクを考慮してチェックすべきか、選択することができます。
相手が先にベットしてきた時でも、自分が勝っていると思えば、レイズを選択しましょう。
レイズするときもバリューターゲットが、どれぐらいのレイズ額であればコールしてもらえるかを考えましょう。
一方で、自分が先にアクションするポジション(=アウトポジション)の場合、インポジションに比べるとバリューを取りにくい傾向があります。
しかし、アウトポジションでも利益を大きくする方法はあります。
例えば、インポジションのプレイヤーがベットをよくするプレイヤーであれば、チェックレイズでポット膨らませることもできます。
また、相手がコールに偏っているプレイヤーであれば、不利なポジションからのベットでもコールしてもらえる可能性もあります。
ポジションが良い時に参加頻度が高くなるのは、ポストフロップでポジションが良いからというのも一つの理由です。
ポーカーのバリューベットの具体的なシチュエーション
BTNからA♡Q♠️でオープンして、BBがコール
Flop A♠️Q♡6♡
BBがチェックにBTNから20%のCB、BBがコール
Turn 8♢
BBがチェックにBTNが125%のベット
この時のBTNのバリューターゲットは主にAとQです。
GTOを見ると、BBがAを持っていた場合、ターンのベットにコールすることになります。
Qを持っていた場合でもほとんどをコールすることになっています。
バリューターゲットが明確なときは思い切ってオーバーベットを使ってみても良いと思います。
ポーカーのバリューベットに関するQ&A
それでは、最後にバリューベットに関する質問を回答していきます。
- ナッツを持っている場合のベットサイズはどれくらいが良いですか?
- 相手がベットやレイズを行った場合どのようにバリューベットを行えばよいですか?
- 参加プレイヤーの人数でバリューの取り方は変わりますか?
- ポーカーのショーダウンバリューとは?
- バリューとブラフの違いは?
ナッツを持っている場合のベットサイズはどれくらいが良いですか?
ナッツを持っているときは、相手のハンドを想定してベットサイズを決めましょう。
プリフロップからリバーまでのアクションによって相手のハンドの強さを推測し、その情報を元にベットサイズを調整します。
相手もある程度強い場合は、大きめのベットサイズでもコールしてくれます。
逆に弱そうな場合は小さいベットを選びましょう。
小さいベットサイズであれば、弱いハンドからもコールをもらいやすいです。
さらに、小さいベットは相手からのレイズも誘いやすいです。
ショーダウンで勝てない場合に、チップを獲得するにはブラフで相手を降ろすしかありません。
相手からのブラフを誘発する戦術をブラフインデュースと言います。
ブラフの多いプレイヤーに対してリバーの小さいベットの中に強いハンドが含まれていない場合、ブラフレイズをされてフォールドさせられることがあります。
一部のナッツ級ハンドを小さいベットの中に混ぜることで、相手からのブラフを誘発し、なおかつ相手からのブラフ頻度を下げることができます。
相手がベットやレイズを行った場合どのようにバリューベットを行えばよいですか?
相手からベットやレイズされた時は、相手が自分より強い可能性もあります。
まず自分がバリューターゲットにされてないか考えましょう。
それでも自分の方が強そうであれば、レイズでポットを膨らませます。
またこのアクションの後に、ベットラウンドが残っている場合、レイズではなくコールを選択して、引き続き相手にベットしてもらう選択肢もあります。
レイズ、コール、フォールドの選択は相手の特徴に依存していることが多いです。
ライブポーカーではGTO通りのプレーをしていても、最大限の利益を生むことはできません。
常に相手を観察してエクスプロイトしていく必要があります。
参加プレイヤーの人数でバリューの取り方は変わりますか?
参加人数が多いと、1人あたりの勝率は下がります。
マルチウェイでは、ストレートやフラッシュの完成を狙うハンドが参加していたり、セットやツーペアが完成してたりする可能性もあります。
自身の勝率も下がっているため、ヘッズアップの時より強いハンドを持っている時にベットしましょう。
自身がナッツを持っている場合は、ポットを大きくするために多くの人からコールをもらうベットを目指しましょう。
マルチウェイの時は基本的に50%以上のベットを使いません。
ブラフもバリューもハーフポットまでにしましょう。
ポーカーのショーダウンバリューとは?
ポーカーのショーダウンバリューとは「自分のハンドにショーダウンの価値があるか」という考え方や、その価値のレベルです。
Show Down Valueを略して「SDV」とも呼ばれます。
バリューとブラフの違いは?
ポーカーのバリューとブラフの違いは「ハンドが強いか、弱いか」です。
バリューのハンドは強く、ブラフのハンドは弱いと分類できます。
バリューレンジは「ベットして勝ちを狙えるような強いハンドレンジ」のことです。
ブラフレンジは「ハッタリをきかせないと勝てないような弱いハンドレンジ」のことです。
どちらにも属さない中間のハンドレンジは「マージナルレンジ」といいます。
【まとめ】ポーカーのバリューベットについて
今回は、ポーカーでチップを増やす方法の一つ、バリューベットを紹介してきました。
バリューベットはチップを稼ぐためのテクニックで、出現頻度もかなり高いです。
まずはブラフに頼らず、確実にバリューを得る方法を習得し、その後にブラフとのバランスを考えることが重要です。