ポーカーのハンドレンジとは|事例や覚え方のコツを解説

ポーカーのプリフロップハンドレンジ表|事例や覚え方のコツを紹介

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本記事はこんな疑問や悩みを持つ方におすすめ!
  • ハンドレンジという言葉の意味がわからない
  • ハンドレンジの覚え方がわからない
  • ハンドレンジを覚えるメリットを知りたい

この記事では、テキサスホールデムポーカー(以降、ポーカー)における、ハンドレンジについて解説します。

ハンドレンジを知り、覚えることで期待値の高いアクション選択や、どういう戦略を取るべきかを判断できるようになります。

この記事のライター
Yuki 27歳・ポーカー歴4年
APT(Asian Poker Tour)サイドイベント優勝経験あり

普段はKKPOKERのFLASHをプレイ

ポーカーのハンドレンジとは

ポーカーのハンドレンジとは

ポーカーでプレイヤーに配られる2枚のカードのことをハンドと呼び、その組み合わせの集合をハンドレンジと呼びます。

例えば、AK, AQ, AJといった複数ハンドを羅列していれば、ハンドレンジを表現していることになります。

ハンドレンジはポーカーをプレイする上で非常に重要な要素です。

プレイすべきハンドレンジは、その時の状況や自分のポジションによって変化します。

ハンドレンジ表はどのようなハンドでどんなアクションをとるべきなのか、一目でわかる表となっています。

プリフロップで参加すべきハンドレンジは期待値計算によって既に算出されています。

特にプリフロップは毎ゲーム必ず行うことになるので、ハンドレンジを覚えているか否かは勝敗に大きく関わってきます。

ハンドレンジを覚えずに感覚だけでプレイしていると、期待値がマイナスの行動を積み重ねてしまうことになるのです。

Yuki

一般的に「ハンドレンジを覚える」と言うときは、「プリフロップの参加ハンドを覚えること」を意味します。

ハンドレンジにはいくつか種類がありますが、ここではGTO Wizardを基にしたハンドレンジを紹介します。

ポジションごとのハンドレンジ(オープンレンジ)

ポジションごとのハンドレンジ(オープンレンジ)

オープンレンジとは、まだ誰もオープンしていない状態で自分の番が回ってきたときにレイズして参加するハンドレンジです。

ポジション毎にレンジの広さは変わってきます。

基本的に後ろに人が多いほど、相手が自分よりも強いハンドを持っている確率が上がるので、オープンできるレンジは狭くなります。

以降、実際のハンドレンジ表を紹介します。

表の見方は、赤色がレイズ、緑色がコール、青色がフォールドとなっています。

「AKo」などの「o」はオフスートを意味しスート(トランプのマーク)が異なるハンドです。

「AKs」などの「s」はスーテッドハンドを意味し、スートが同じハンドです。

UTG

UTG(Under The Gun)はBBの左隣で、プリフロップでは最初にアクションを行うポジションです。

プリフロップで最初にアクションしなければならず、フロップ以降も不利なポジションのため参加するハンドレンジは狭くなっています。

覚えるポイントは以下表の通りです。

オフスートAT, KJ, QJ以上
スートAx全て, K5, Q9, J9, T9以上
ポケット55以上

※GTO Wizardでの検索結果を参照しています。

HJ

HJ(High Jack)とはUTGの左隣のポジションです。

プリフロップでは、2番目にアクションをするポジションであるため、ハンドレンジは狭くなっています。

UTGのオープンレンジと比較して、キッカー(ハンドの弱いほう)の数字がそれぞれ1つ下に伸びるイメージです。

覚えるポイントは以下表です。

オフスートA9,KT, QT,JT以上
スートAx全て、K5,Q8,J9,T8,98以上
ポケット44以上

CO

CO(Cut Off)はHJの左隣のポジションです。

BTNの1つ前で、フロップ以降では最後から2番目のポジションになるので、非常に有利なポジションと言えます。

覚えるポイントは以下表です。

オフスートA8以上、A5、KT,QT,JT以上
スートAx,Kx全て、Q5,J7,T7,97,87以上
ポケットほぼすべて

HJのオープンレンジからさらに広がります。

オフスートはそれほど変化がないですが、スートのKx,Qxで広くオープンできる点に注目です。

BTN

BTN(Button)はCOの左隣のポジションです。

後ろにSB,BBしか残っておらず、コールされてもポジションを持ってポストすることができるため、オープンレンジが大きく広がっています。

覚えるポイントは以下表です。

オフスートA3以上,K8,Q9,J9,T8以上
スートAx,Kx,Qx全て、J4,T6,96,86,75,65,54以上
ポケットポケット:全て

SB

SB(Small Blind)は、BTNの左隣のポジションのことです。

SBはブラインドの半額を強制的にプリフロップでベットしなければいけません。

プリフロップでは、BTNの後にアクションを行いますが、フロップ以降では一番最初にアクションを行います。

そのため、一番悪いポジションと言われています。

一部コールレンジ=リンプインもありますが、基本はレイズで問題ありません。

BTNのレンジからキッカーがそれぞれ一つ下に伸びるイメージですね。

BB

BB(Big Blind)はSBの左隣のポジションのことです。

プリフロップで、BBはブラインド額を強制的にベットしなければいけません。

プリフロップ以降ではSBの後で、一番最後にアクションを行いますので、オープンレンジはありません。

すでに1BB分支払っているため、相手のオープンに対してコールが多く、フロップ以降を見ることが多いポジションです。

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編集部

すべてを暗記するのは覚えにくくて難しいと思います。

まずはUTGやBTNといったわかりやすいポジションから覚えて、他は相対的に広げたり狭めたりをしておくのが良いでしょう。

ポジションごとのハンドレンジ(コール・レイズ)

ポジションごとのハンドレンジ(コール・レイズ)
ポジションごとのハンドレンジ(オープンレンジ)
  • UTGがオープンしたとき
  • HJがオープンしたとき
  • COがオープンしたとき
  • BTNがオープンしたとき
  • SBがオープンしたとき

次に、前に誰かがオープンしている場合の、各ポジションにおけるハンドレンジを見ていきましょう。

誰かがオープンしているのに対し、コール、レイズ、フォールドの3つの選択肢があります。

ちなみに、誰かがオープンしている状態でレイズすることを3bet、3betした人がいる状態でさらにレイズすることを4betと呼びます。

3betを行う場合、レイズする額はHJ~BTNなら3-4倍、SB,BBなら4-5倍を目安にしましょう。

UTGがオープンしたとき

HJ

コールレンジはありません。

UTGのオープンが強い+後ろに控えている人も多いので参加できるレンジがとても狭くなっています。

CO

少しコールレンジが出てきますが、基本的にはレイズでの参加になります。

BTN

BTNは必ずポジションをもってポストができるので、コールレンジが増えています。

SB

SBはコールしてしまうとポジションがない状態でポストをすることになりますが、

すでにSBのチップを場に出しているため、コールで参加することが多いです。

BB

BBはすでにBBのチップを場に出しているのに加え、後ろに人がいないのでコールレンジが広くなっています。

レイズしてしまうとまたオープンした人にアクションが回ってしまうので、あまりレイズは行いません。

HJがオープンしたとき

CO

コールレンジはほぼありませんね。

BTN

UTGがオープンした時と少し広がる程度でほとんど差がありません。

まとめて覚えてしまいましょう。

SB

BTNと同じくUTGがオープンした時とほとんど差がありません。

BB

こちらも、UTGがオープンした時とほとんど差がありません。

COがオープンしたとき

BTN

レイズが多く、コールレンジはあまりありません。

ひとつ前の人がオープンした際は基本的にレイズで入ると覚えてしまってもいいかもしれません。

SB

COのオープンレンジは広い=強くないところも多い、のでレイズが多くなっています。

BB

広くコールしますが、少しレイズが多くなっていますね。

BTNがオープンしたとき

SB

BTNのオープンレンジが広いため、ほぼすべてレイズになっていますね。

BB

SBがオープンしたとき

BB

半分以上のハンドでコールorレイズします。

フォールドするところを覚えてしまったほうが早いでしょう。

Yuki

より一層、覚えにくそうです。

もっともプレイシそうなBB目線で覚えるのが良いでしょう。

まずはBB vs BTN、 UTG vs BBと少しずつ理解していくことになります。

ハンドレンジを守るべき理由

ハンドレンジを守るべき理由
ポジションごとのハンドレンジ(オープンレンジ)
  • プリフロップを迷わずプレイできるから
  • ミスプレイが無くなるから
  • 期待値が最も高いから

プリフロップを迷わずプレイできるから

初心者の方が必ず最初に直面する、「どんなハンドではいったらいいかわからない・・」、「このハンド、強そうだけどコールするの?レイズするの?」などといった悩みがハンドレンジを覚えることで全てなくなります。

ミスプレイが無くなるから

ポーカーは期待値がマイナスなアクション(ミスプレイ)が積み重なると、当然チップが減っていきます。→チップが減っていきます

長期的な目線では、ちょっとした期待値マイナスも大きな損失になります。

仮にそのハンド1回でマイナス100円レベルのプレイだったとしても、数時間を経て1000回、同様のミスがあればマイナス10万円に相当します。

短期的にたまたま強い役ができてチップが増えたとしても、長期的に同じことをやってマイナスになったら意味がありません。

ミスプレイをなくす意識は常に持っておくことが必要です。

期待値が最も高いから

ハンドレンジ表は、期待値計算によって推奨アクションが定められたものです。

ポーカーにおいて一番多くプレイすることになるのがプリフロップです。

つまり、プリフロップでのミスが一番損をする回数が増えてしまうのです。

逆にハンドレンジを覚えていれば、その分覚えていない人との差がどんどん積み重なっていき、最終的に多くのチップを得ることができるでしょう。

ハンドレンジの覚え方

ハンドレンジの覚え方

最初はざっくりとアプリなどでハンドレンジを覚え、実践後確認しながら細かいところを覚えていくとよいでしょう。

記事内で紹介したハンドレンジ表の端の部分に注目してどう変わるのかを理解していくのもおすすめです。

ポーカーのハンドレンジに関するQ&A

ポーカーのハンドレンジに関するQ&A
ポーカーのハンドレンジに関するQ&A
  • ハンドレンジはポーカーをプレイする中でどのくらい大切ですか?
  • ハンドレンジを覚えるためのアプリはありますか?
  • ポーカーの最弱ハンドは何ですか?

ハンドレンジはポーカーをプレイする中でどのくらい大切ですか?

一番大切だといっても過言ではありません。

互いのハンドレンジは理解できていないと、フロップ以降の戦略もきちんと学ぶことができません。

ハンドレンジを覚えるためのアプリはありますか?

  • GTO Wizard
  • プリフロップトレーナー
  • Poker Snowie

などがあります。それぞれにほとんど差はないので、自分が使いやすいものを選ぶといいでしょう。

クイズ形式でハンドレンジを覚えることができる機能もあります。

ポーカーの最弱ハンドは何ですか?

ランダムハンドを相手に最も勝率が低いハンドは、72oです。

ストレートもできない、フラッシュもできない、数字も弱いからです。

実戦で使う場面はほとんどありません。

【まとめ】ポーカーのハンドレンジについて

【まとめ】ポーカーのハンドレンジについて

テキサスホールデムは我慢のゲームと呼ばれるほど、参加率は低いです。

弱いハンドで参加して損をしてしまうことがないよう、ハンドレンジはしっかり覚えましょう。

また、今回紹介したのは6-max、レーキあり、アンティなしのハンドレンジです。

レーキ、アンティの有無でもハンドレンジは変化するので、注意が必要です。

とはいえ、そんなに膨大な量を覚えることは非常に困難です。

最初はざっくりと覚えてしまい、あとは実践して、確認しながら覚えていくとよいでしょう。

一朝一夕で覚えることができるものではありませんが、確実に差がつく部分です。

頑張って覚えましょう!