マンシュリアン法とは?ルーレット攻略の実践ガイド

目次

マンシュリアン法とは、主にカジノのルーレットなどで使用される攻略法の一種です。

賭けに負けるたびに賭け金を特定の数列で増やしていき、5ゲーム目までに勝利できればそれまでの負け金を取り戻し、さらに利益を出すことができます。

本記事では、マンシュリアン法の基本や使い方について詳しく解説していきます。

マンシュリアン法のメリット・デメリット、弱点についても紹介するので、これからルーレットでマンシュリアン法を実践してみたいと考えている人はぜひ参考にしてください。

マンシュリアン法の基本とは

マンシュリアン法は、カジノ、特にルーレットのコーナーベット(4つの数字に賭ける、配当8倍)を利用したプログレッシブ型(追上型)のベッティングシステムです。この戦略は、マーチンゲール法などの古い追上型戦略の欠点である「連敗時の賭け金の急激な増加」に対処し、比較的少ないゲーム数での勝利によって損失を回復し、利益を確保することを目指して考案されました。その起源は明確ではありませんが、比較的大きな配当(8倍)を活かしつつ、連敗が続いても一定の利益を出すことを可能にした合理的な設計が特徴です。

マンシュリアン法のユニークな点は、その賭け金の増額ルールとコーナーベットの組み合わせにあります。基本的なルールでは、連敗するたびに特定の数列(例:1→1→2→4→8→16)に従って賭け金を4つのコーナーベットに分散して配置します。例えば、1ユニットを賭ける場合、ルーレット盤上の4つの異なるコーナーにそれぞれ1ユニットずつ合計4ユニットを賭けます。そして、5連敗までであれば、6ゲーム目にいずれかのコーナーベットで勝利する(配当8倍を獲得する)ことで、それまでの総損失を回復し、さらに利益を確保できる構造になっています。この「5ゲーム目までの勝利で利益確定」という設計が、他の戦略と異なり、比較的早い段階での目標達成を可能にするポイントです。

マンシュリアン法の使い方【ステップ解説】

マンシュリアン法の使い方は、以下の4ステップです。

  1. コーナーベットから開始
  2. 負けたらベット箇所を追加
  3. さらに負けたら賭け金を倍に
  4. 勝ったら最初に戻る

上記の手順で賭けを進めていけば、初心者でもルーレットでマンシュリアン法を実践できます。

ここから、それぞれの手順について1つずつ詳しく解説します。

ステップ1:コーナーベットから開始

マンシュリアン法を実践するためには、まず「コーナーベット」の基本を理解する必要があります。コーナーベットとは、ルーレットテーブルで4つの筋が交わる角(コーナー)にチップを置く賭け方です。

例えば、数字の1、2、4、5という4つの数字が交わる中央の点にチップを置くと、この4つの数字すべてに同時に賭けたことになります。もしボールがこの4つの数字のいずれかに入れば、あなたの勝ちです。

配当は8倍なので、例えば100円を賭けて当たれば800円を受け取ることができます。

まずは自分が賭ける基本単位(ユニット)を決めてください。例えば、1ドルを1単位とします。

ルーレットのレイアウト上で、どこかの4つの数字が交わる角(コーナー)を1箇所選び、1単位のチップを置けばマンシュリアン法における1ゲーム目の賭けは完了です。

ステップ2:負けたらベット箇所を追加

1ゲーム目で負けてしまった場合、マンシュリアン法では次のゲームで賭けるコーナーの数を1箇所から2箇所に増やします。

賭けるコーナーを1箇所から2箇所に増やすのは、勝率を上げて損失回復の機会を増やすためです。

コーナーベットの数を増やすことで、ボールがそのエリアに落ちる確率が上がり、8倍の配当を獲得しやすくなります。

この戦略は、連敗が続くほど当たる確率を高めることで、少額の勝利でもそれまでの負けを取り戻し、早期に利益を確定させることを目指しています。

ステップ3:さらに負けたら賭け金を倍に

2ゲーム目でも勝利できず、さらに損失が続いた場合、マンシュリアン法は賭け金とコーナーベットの数を増やしていきます。

この段階から、単にベット箇所を増やすだけでなく、賭け金そのものを増額するルールが適用され、損失回復の効率を高めます。

ゲーム数勝敗賭け金単位コーナー数総賭け単位累計損失
1負け1144
2負け12812
32324

マンシュリアン法における賭け金の増額は、特定の数列に基づいています。これにより、負けが込むほど次の勝利による利益が大きくなり、累積した損失を一気に取り戻せる設計になっています。

3ゲーム目も負けてしまった場合、賭け金は次のようになります。

ゲーム数1コーナーあたりの単位コーナー数総賭け単位累計損失(負け続けた場合)
44464100
585160260
6166384644

ただし、5ゲーム目までに勝利できなければ、たとえ6ゲーム目で賭けに勝ったとしても損失が発生してしまうため注意してください。

ステップ4:勝ったら最初に戻る

マンシュリアン法において、連敗中にいずれかのゲームで勝利を収めた場合、その時点でサイクルは終了し、すべてがリセットされます。

5ゲーム以内に勝利できれば、それまでの累計損失を全て取り戻し、さらに利益も確保できるように設計されています。

次のゲームでは、ステップ1と同じく1単位のチップを1箇所のコーナーベットに置くところから再スタートしてください。

このリセットのルールこそが、マンシュリアン法を安全に続けるための最も重要な要素です。利益を積み重ねるためには、勝利するたびにリスクの低い初期ベットに戻ることが基本となります。

マンシュリアン法のメリットとデメリット

マンシュリアン法の主なメリットは、短期間での利益確定と、損失回復の効率性にあります。この戦略は、勝率の低いコーナーベット(配当8倍)を利用しつつ、連敗時に賭け金とベット箇所を段階的に増やすことで、5連敗までの間に一度でも勝てれば、それまでの総損失を上回る利益を確保できるように設計されています。マーチンゲール法のような一般的な必勝法のように賭け金が倍々に急増するのを避けつつ、勝利時に大きな配当を得られるため、より少額の資金で始められ、また、テーブルの最大ベット制限に達するリスクを遅らせることができます。勝利後は必ず最初の最小ベットに戻るため、資金管理がしやすい点も利点です。

しかし、マンシュリアン法には無視できないデメリットが存在します。最大の弱点は、連敗が続いた場合の資金的なリスクです。この戦略は5連敗以内での勝利を前提としており、もし6連敗以上してしまうと、それまでの累積損失が非常に大きくなります。特に、コーナーベットは配当が大きい分、的中率が低いため、長い連敗に陥る可能性は常にあります。連敗時には賭け金が急増するため、テーブルリミット(最大ベット額)にすぐに達してしまい、戦略を継続できなくなるリスクや、莫大な資金が必要となる状況に追い込まれる危険性を伴います。したがって、この方法は「必勝法」ではなく、あくまでリスクを伴う一時的な戦略として捉える必要があります。

メリット

マンシュリアン法のメリットとして、以下が挙げられます。

  • 連敗時に勝率が向上する
    負けが続くたびに賭け金を増やしつつ、同時に掛けるコーナー数を増やします。これにより、ゲームが進むほど的中する確率を高め、累計損失を一度に取り戻せます。
  • テーブルリミット到達のリスクを軽減できる
    マーチンゲール法のように負けるたびに賭け金を倍にするわけではないため、連敗が続いても賭け金の増加ペースが緩やかです。そのため、カジノで設定されている最大ベット額に達してしまうリスクを遅らせられます。
  • シンプルなリセットルール
    一度でも勝利すれば次のゲームで必ず最初の最小ベットに戻るというシンプルなリセットルールを採用しており、複雑な資金計算の必要がありません。

マンシュリアン法を実践する際には、上記のメリットがある点を覚えておきましょう。

デメリット

マンシュリアン法のデメリットとして、以下が挙げられます。

  • 6連敗以上になると確実に損失が発生する
    マンシュリアン法は5ゲーム以内の勝利を前提としているため、6連敗以上になると確実に損失が発生してしまいます。
  • 多額の資金が必要になる可能性がある
    連敗時に賭け金が増加するため、特に6ゲーム目以降の継続では非常に大きな資金が必要になります。
  • テーブルリミットで戦略が強制終了される
    賭け金が増加していく中で、カジノ側が設定している最大ベット額(テーブルリミット)に到達してしまう可能性があります。

マンシュリアン法を実践する際には、上記のデメリットがある点も忘れないようにしてください。

マンシュリアン法は稼げる?実践効果を検証

マンシュリアン法が現実的に利益を生み出す可能性はありますが、それは短期的な運用に限定され、長期的には稼げないというのがデータに基づいた検証結果です。この戦略は、「5ゲーム以内の勝利」で8倍の配当を獲得し、累積損失を回復して利益を出すことを目的としています。短期間で見れば、連敗が5回以内に収まる確率は比較的高く、一時的に利益を確保できる可能性はあります。特に、最初に設定した目標利益に達したらすぐにゲームを終了する、いわゆる「損切り・利確」を徹底すれば、一時的に資金を増やすことは可能です。しかし、これは単に「運が良い状態」で利益を確定したに過ぎず、カジノの控除率(ハウスエッジ)という数学的な優位性は変わらないため、プレイ回数が増えるほど最終的には期待値がマイナスに収束していきます。

長期的な視点で見ると、マンシュリアン法は連敗が続いた場合の致命的なリスクから逃れられず、稼ぎ続けることは不可能です。コーナーベットの的中率は約10.8%であり、連敗は避けられません。6連敗以上に陥った場合、賭け金の急激な増加によってテーブルリミット(最大ベット額)に到達するか、またはプレイヤーの資金が尽きることになります。この一度の大きな損失(破産)が、それまでに積み上げてきた小さな利益をすべて帳消しにし、最終的に資金をマイナスにしてしまうのです。したがって、マンシュリアン法は「短期的に損失を回復し、一時的な利益を目指す」ための戦術であり、「継続的に安定して稼げる必勝法ではない」と結論づけられます。

連敗リスクの実態

連敗リスクの実態

マンシュリアン法において、連敗リスクは戦略の成否を分ける最も重要な要因です。この戦略はコーナーベット(4つの数字に賭け、配当8倍)を利用しますが、ヨーロピアンルーレット(37マス)におけるコーナーベットの的中確率は約4/37 、すなわち約10.8%です。

的中率が約10.8%ということは、外れる確率(連敗する確率)が約89.2%であることを意味します。連敗が続くと、その確率は以下のようになります。

連敗数連敗する確率累計損失
1回負け約89.2%4単位の損失
2回負け約79.6%12単位の損失
3回負け約71.0%36単位の損失
4回負け約63.3%100単位の損失
5回負け約56.4%260単位の損失(戦略継続のボーダーライン)
6回負け約50.3%644単位の損失(戦略の破綻。高額な資金が必要)

5連敗する確率は50%以上となり、決して低いリスクとはいえません。マンシュリアン法は5連敗までに勝利することを前提としていますが、半数以上の確率でそのボーダーラインを超える可能性があるということです。

6連敗以上に陥った場合、その時点での累積損失は非常に大きくなります。この戦略では、一度の大きな連敗で、それまでに得た小さな利益をすべて帳消しにするだけでなく、プレイヤーの全資金が尽きる(破産する)リスクが現実のものとなります。この「破産リスク」があるため、マンシュリアン法は長期的に稼げる方法ではないと結論付けられます。

マンシュリアン法の弱点を知っておこう

マンシュリアン法は、連敗時の損失回復を目指す戦略ですが、そのシステムの設計上、いくつかの重大な弱点があります。

マンシュリアン法はコーナーベット(的中率約10.8%)を利用しており、5連敗までの勝利で利益を出すことを基本としています。しかし、現実として6連敗以上する確率は決して低くありません(約50%)。連敗が続くと、賭け金は1→1→2→4→8→16と急増し、例えば6連敗した時点で644単位という莫大な累積損失が発生します。この一度の大きな損失が、それまでの小さな利益をすべて帳消しにし、プレイヤーの全資金を尽きさせるリスクを内包しています。

また、連敗が続くと、賭け金は単位ごとに指数関数的に増加していきます。カジノのルーレットテーブルには、必ず最大ベット額(テーブルリミット)が設定されています。賭け金がこの制限に達してしまうと、それ以上の増額ができなくなり、マンシュリアン法による損失回復の仕組みが機能しなくなります。この結果、連敗によって生じた大きな損失を確定させざるを得なくなり、戦略の継続が不可能となります。

これらの弱点を理解しておくことが、マンシュリアン法を用いる上での前提です。

5連敗すると損失が避けられない

マンシュリアン法は、5連敗までの勝利で累積損失を回復するように設計されていますが、このボーダーラインである5連敗に達し、さらに6ゲーム目も負けてしまうと、戦略的な回復がほぼ不可能になります。

5連敗後の累計損失は260単位に達し、そして6連敗目には384単位という巨額の賭けを行う必要があります。

この時点で、多くのプレイヤーは自己資金が底を尽きてしまい、次のゲームに進むための十分な資金を用意できなくなります。

仮に資金があったとしても、6連敗後の累積損失は644単位となり、これ以降、損失額が急増するペースに追いつくことが難しくなります。つまり、「5連敗」は、多額の資金が必要となる破綻への入り口であり、ここで戦略を継続できなくなることで、それまでの多大な損失を確定せざるを得なくなるのです。

軍資金の要求が高い

マンシュリアン法は、システムを維持するために多額の軍資金(バンクロール)をプレイヤーに要求します。

この要求が高い最大の理由は、連敗時の賭け金の急激な増加です。特に5連敗以降は、損失を回復するために一度に賭ける金額が大きく跳ね上がるため、戦略を継続するための十分な資金がなければ、途中で資金切れを起こしてしまいます。

この「資金切れ」は、戦略を強制的に終了させ、それまでの大きな累積損失を確定させることにつながります。

マンシュリアン法のシミュレーション結果

マンシュリアン法をシミュレーションすると、短期的な利益確保の可能性と長期的な資金破綻リスクの両方が明確になります。例えば、1単位を1ドルとし、コーナーベット(的中率約10.8%)でこの戦略を繰り返した場合、短期間(例:50回程度の試行)では、5連敗以内で勝利を収め、利益を確定できるケースが多く見られます。シミュレーションの結果、この戦略は連敗時に賭け金とベット箇所を増やすことで、勝利時にそれまでの累積損失を上回り、10~40単位程度の利益を積み重ねる期間を再現できます。この効果は、連敗の確率が約50%で推移する最初の数サイクルで最も顕著です。

しかし、シミュレーション回数を増やし(例:1,000回以上の試行)、致命的な連敗が発生した場合、結果は劇的に悪化します。コーナーベットの確率に基づけば、比較的高い頻度で6連敗以上が発生します。例えば、6連敗した時点でプレイヤーは644単位もの損失を抱え、さらにその損失を回復するための次の賭けに巨額の資金が必要となります。シミュレーションでは、この一度の大きな損失、またはテーブルリミット(最大ベット額)への到達による戦略の破綻が、それまでに積み重ねた小さな利益を全て帳消しにし、最終的に資金のマイナス(破産)へと収束していくことが証明されます。したがって、シミュレーション結果は、マンシュリアン法がカジノの控除率(ハウスエッジ)を覆す「必勝法」ではないことを示しています。

マンシュリアン法【改良版】とは?

マンシュリアン法の「改良版」は、基本的なシステムの最大の弱点である長期間の連敗による損失リスクを抑えるために考案されました。従来のマンシュリアン法は、5連敗まで勝利すれば利益が出るものの、6連敗に達すると累積損失が急激に膨らみ(644単位)、資金破綻のリスクが非常に高くなる欠点がありました。改良版では、この致命的な連敗時のリスクを軽減するため、賭け金の増額ペースを緩やかにしたり、ターゲットとする配当を変更したりする調整が加えられます。例えば、単にコーナーベットのみを続けるのではなく、ダズンベットやコラムベットなど的中率の高い賭け方と組み合わせて連敗を避けやすくする工夫などがあります。

これらの改良が行われた理由は、基本版が連敗時に資金を急速に消耗し、多くのプレイヤーが数回のセッションで全資金を失うという現実的な問題があったためです。賭け金の増加を緩やかにすることで、同じ資金でより長くプレイを続けられるようになり、短期的な運の波に対する耐性が向上します。例えば、400ドルの資金で基本版では6〜7連敗で破産するところを、改良版では10〜12連敗まで耐えられるようになります。ただし、改良版にも限界があることを理解しておく必要があります。賭け金の増加を抑えることで破産リスクは減少しますが、同時に一度の勝利で得られる利益も小さくなり、損失回収に時間がかかるようになります。また、増加速度を緩やかにしても、ハウスエッジという根本的な問題は解決できないため、長期的には依然として損失が発生します。改良版は「より安全に長く楽しむための工夫」であり、「確実に勝てる方法」ではないという点を認識することが重要です。責任あるギャンブルの観点から、改良版であっても事前の資金計画と自制心が不可欠です。

改良版のメリットとリスク

マンシュリアン法【改良版】のメリットとリスクについて、従来のマンシュリアン法と比較しました。

マンシュリアン法【改良版】従来のマンシュリアン法
メリット資金破産リスクを低減できるテーブルリミットに到達するのを遅らせられる心理的なプレッシャーが減る勝利時の利益が大きい短期間で損失を取り戻せる単純なルールで実行が簡単
リスク勝利時に得られる利益が減る損失回復に時間がかかる長期的にはカジノ側が有利連敗時の損失が急増する資金破産のリスクが高いテーブルリミットに早く到達しやすい

マンシュリアン法【改良版】では賭け金増加のペースを緩やかにするため、資金破産のリスクが下がったり、心理的プレッシャーが減るのがメリットです。

ただし、勝利時に得られる利益も減ってしまうため、損失が発生した際に回収するのに時間がかかるというリスクがある点は理解しておきましょう。

また、カジノには控除率(ハウスエッジ)が存在し、長期的にプレイすればカジノ側が有利な設計になっています。

マンシュリアン法を使ったとしても、必ず勝てる保証はないため、単に破綻リスクを遅らせているだけだという点は覚えておいてください。

改良版を応用したマンシュリアン法攻略法

マンシュリアン法【改良版】を経験豊富なプレイヤー向けの高度な戦略として応用する場合、目標管理と資金保護を最優先にした複合的なアプローチを取るのが有効です。

改良版をさらに応用した戦略を取ることで、改良版の特徴である「低リスク・継続性」を活かしつつ、自己資金やルーレットの出目に基づいたリスク管理を実行しやすくなります。

例えば、単純に「5連敗」を損切りラインにするのではなく、「初期資金の20%を失ったらリセットする」などのルールを設ける方法が挙げられます。

マンシュリアン法は連敗が続けば続くほど損失が膨らんでいくため、「初期資金の20%を失ったらリセットする」というルールを採用すれば致命的な資金破綻を回避できるからです。

また、「初期資金の50%を増やしたら、その日のプレイは終了する」など具体的な利益目標を設定すれば、利益を確保した状態を維持し、カジノの控除率によるリスクから資金を守れます。

カジノ側が有利な状況はルーレットをプレイする以上変わらないため、目標管理や資金保護を重視してマンシュリアン法を実践するのが重要になってくるでしょう。

マックスベットの壁

マンシュリアン法、およびその改良版が持つ決定的な弱点は、カジノ側が設定するマックスベット(最大ベット額)の壁です。

連敗が続くと、損失を回復するために賭け金を増額していく必要がありますが、この増額された賭け金がテーブルの上限額に達してしまうと、戦略の継続が不可能になります。

一度マックスベットに達してしまうと、それ以上の賭け金で損失を取り戻すことができなくなり、それまでの大きな累積損失を確定せざるを得なくなります。

この制限こそが、マンシュリアン法が長期的には稼げない最大の理由です。

マンシュリアン法以外の攻略法を比較

マンシュリアン法以外にも、ルーレットには様々なベッティングシステムが存在します。

ここでは、代表的な戦略をマンシュリアン法と比較して解説します。

必勝法特徴
マンシュリアン法段階的に賭け金を調整して損失を回収する。
マーチンゲール法負けるたびに賭け金を2倍に増やす
パーレー法勝つたびに賭け金を2倍に増やす

マーチンゲール法は、マンシュリアン法と比較して賭け金の上昇速度が非常に速いです。

マンシュリアン法よりも早くテーブルリミットに達し、資金破綻のリスクが高い戦略だといえるでしょう。

パーレー法は連勝が続かないと大きな利益は得られませんが、負けが続いても損失は常に1単位に抑えられます。

マンシュリアン法が負けを取り戻す戦略なのに対し、パーレー法は資金保護を優先するアプローチである点がポイントです。

カジノには特徴の異なる複数の必勝法が存在するため、あなたに合った必勝法を選ぶのが確実に利益を出すためには重要になってくるでしょう。

マンシュリアン法を使う際の注意点と失敗例

マンシュリアン法を実践する際に最も注意すべき点は、「確率の誤解」と「感情の暴走」です。多くのプレイヤーが陥る典型的な間違いは、「そろそろ赤が出るはず」「前回と同じパターンが続く」というギャンブラーの誤解に基づいて賭けを判断してしまうことです。ルーレットの各スピンは完全に独立した確率事象であり、過去の出目は次の結果に影響を与えません。したがって、過去の偏りを「未来の保証」と勘違いしてベットを重ねると、マンシュリアン法の本来の「分析的戦略」ではなく、ただの“感情的倍賭け”になってしまいます。

もうひとつの失敗例は、資金管理ルールを途中で崩すことです。例えば「あと1回勝てば取り返せる」と考えてトリガー条件を無視したり、リミットを超えてベットを続けると、破産リスクが急増します。マンシュリアン法【改良版】は、あくまで「冷静にパターンを待つ」「損失を段階的に受け入れる」という設計思想に基づいており、焦りや欲望でルールを破れば機能しません。

教訓として重要なのは、この戦略は「勝つための魔法」ではなく、「負けを制御する技術」だという点です。勝利の確率を完全に変えることはできませんが、損失を小さく保ちながら長くプレイすることは可能です。経験豊富なプレイヤーほど、「勝てないときにどう退くか」を重視し、あえて一時撤退する判断力を持っています。マンシュリアン法を活かすコツは、統計と心理の両面から冷静に自分をコントロールすることに尽きます。

統計データから見るマンシュリアン法の実力

マンシュリアン法の真の実力は、感情や経験則ではなく、確率と統計データから分析することで明確になります。この戦略はコーナーベット(配当8倍、的中率 4/37=約10.8%)を基盤としており、この確率がシステムの成否を完全に支配しています。

マンシュリアン法が短期的に利益を生む可能性があるのは、戦略が「5連敗以内での勝利」に焦点を当てているからです。コーナーベットが5回連続で外れる確率(5連敗する確率)は、約 (1−0.108) ⁵=約56.4% です。これは、約半数の試行で5連敗の壁を超えることを意味します。裏を返せば、約43.6%の確率で5ゲーム目までに勝利し、累積損失を回復して利益を確保できることになります。この比較的高い短期的な成功率こそが、プレイヤーに「稼げる」という錯覚を与える根拠となります。

しかし、長期的な視点で見ると、マンシュリアン法の実力はカジノの控除率(ハウスエッジ)によって相殺されます。ヨーロピアンルーレットのハウスエッジは約2.7%であり、これはどのベット戦略を用いても、賭け続ければ最終的な期待値は必ずマイナスになることを意味します。さらに深刻な問題は、6連敗以上の発生確率です。

  • 6連敗する確率は約 50.3% です。
  • この6連敗が発生すると、累積損失は644単位に膨れ上がります。

統計的に、この「致命的な損失(破綻)」は、小さな利益を積み重ねる間に高い頻度で発生します。シミュレーションデータは、この一度の大きな破綻が、それまでのすべての利益を飲み込み、結果としてプレイヤーの資金をカジノの控除率に基づいたマイナスへと収束させることを一貫して示しています。マンシュリアン法の実力は、短期間の限定的な利益確保にあり、長期的にハウスエッジを打ち破る能力はありません。

マンシュリアン法まとめ

マンシュリアン法は、ルーレットのコーナーベット(配当8倍、的中率約10.8%)を利用した逆張り(プログレッシブ)戦略です。このシステムの核は、負けるたびに賭け金と賭けるコーナーの数を段階的に増やし、5連敗までの勝利でそれまでの累積損失を一気に回復し、利益を確保することにあります。この「短期での損失回復」という点において、マーチンゲール法のような他の戦略よりも資金の急激な消耗を抑え、比較的早く利益確定のチャンスを作れるのが大きなメリットです。勝利すれば、必ず最初の最小ベットに戻るため、利益を確保しやすいという特徴もあります。

しかし、この戦略は初心者にとって特にリスクが高いという点を理解しておくことが極めて重要です。マンシュリアン法は「必勝法」ではなく、6連敗以上に陥った場合、累積損失は644単位にも達し、資金破綻やカジノの最大ベット額(テーブルリミット)に引っかかるリスクが非常に高まります。この一度の大きな損失が、それまでの小さな利益をすべて帳消しにします。もしこの戦略を使う場合は、目標利益と許容できる損切りラインを厳格に設定し、感情に流されず、利益を確保したらすぐにプレイを止めるという強い資金管理が不可欠です。

よくある質問

マンシュリアン法に関する、よくある質問を以下にまとめました。

これからカジノのルーレットでマンシュリアン法を実践したいと考えている人は、ぜひ参考にしてください。

マンシュリアン法はどの種類のルーレットで有効ですか?

マンシュリアン法は、基本的にヨーロピアンルーレットで最も有効だと考えられています。

これは、ヨーロピアンルーレットには「0」が1つしかない(全37マス)ため、アメリカンルーレット(「0」と「00」の2つ、全38マス)に比べてカジノ側の控除率(ハウスエッジ)が低く、わずかながらプレイヤーに有利なためです。

システム自体はどちらのルーレットでも使用可能ですが、リスクを最小限に抑えるためには控除率の低いヨーロピアンルーレットを選ぶのが賢明です。

どのくらいの軍資金を用意すればよいですか?

マンシュリアン法を安全に実行するには、最低でも6連敗に耐えられる資金が必要です。

1単位をいくらに設定するかによりますが、6連敗で644単位の累積損失が発生するため、この金額に加えて利益目標に見合った余裕資金を用意することが推奨されます。

特に初心者の場合は、最小単位でのプレイでも余裕を持って1000単位程度の軍資金を用意するのが安全策です。

マンシュリアン法はオンラインカジノでも利用できますか?

マンシュリアン法はオンラインカジノでも利用可能です。

基本的なルーレットゲームであれば、ランドカジノと同じくコーナーベットが提供されているため、戦略を適用できます。

ただし、オンラインカジノでもテーブルの最大ベット額(マックスベット)は厳しく設定されているため、連敗が続くと戦略が破綻するリスクがある点に注意が必要です。

改良版マンシュリアン法は本当に効果があるのですか?

改良版は、元のマンシュリアン法に比べて破綻リスクを遅らせる効果はありますが、カジノ側のハウスエッジ(控除率)を覆すほどの効果はありません。

つまり、短期的には損失を抑えつつ利益を狙える可能性は高まりますが、長期的には稼げないというルーレットの基本的な統計的原理は変わりません。

マンシュリアン法は違法行為や禁止対象になりますか?

マンシュリアン法は、カジノゲームにおける賭け方(ベッティングシステム)の一種であり、違法行為にはなりません。

この方法自体は、ディーラーやルーレットの機械に不正を働くものではないため、カジノのルールブックで「禁止」と明記されていない限り、利用しても問題ありません。

ただし、多くのカジノはベッティングシステムを嫌う傾向にあるため、目立たないように利用することが推奨されます。