VPIPとは|考え方とVPIPの活用法

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本記事はこんな方におすすめ!

・VPIPを知らない/詳しく知りたい人
・どのようなハンドで参加すればいいか分からない人
・VIPIの戦略を知りたい人

ポーカーを始めたばかりの際、どれぐらいゲームに参加してすべきか迷うことがあります。

特にプリフロップでは情報が少ないため、必要以上に参加してチップを失ってしまいます。

今回はプリフロップで大切な要素であるVPIPを紹介します。

Chika

プリフロップは、初心者が最初に取り組むべき重要な要素なので、早めに学んでおきましょう!

この記事のライター
Chika 27歳・ポーカー歴4年
ライブトーナメント獲得賞金額1,500万円超

MTTが得意で年間7~8回ポーカーのために海外遠征する

VPIPとは

VPIPとは

VPIP(Voluntarily Put In Pot)とは、プレイヤーが自発的にポットにチップを入れる割合を示す指標です。

簡単に言えば、VPIPはゲームへの参加率を示しています。

例えば、100ハンドが配られて、そのうち20回参加すれば、VPIPは20%になります。

VPIPにはレイズの参加だけでなく、BB(ビッグ ブラインド)以外のポジションからのリンプインも含まれます。

一方で、フォールドした場合や、BBを支払いチェックで回った場合は、VPIPには含まれません。

VPIPが高い場合は、積極的にゲームに参加していることを示し、逆にVPIPが低い、慎重にプレイをしていると考えられます

VPIPを知るメリット

VPIPを知るメリット

VPIPはポーカーをプレーする上で一つの重要なスタッツです。

実際にVPIPを知ることがどのようなメリットがあるのか紹介していきます。

VPIPを知るメリット
  1. 自分と相手のプレースタイルを分析できる
  2. 相手のプレーヤーをエクスプロイトすることに繋がる

自分と相手のプレースタイルを分析できる

VPIPはプレーヤーのプレースタイルによって異なっています。

ルースなプレーヤーはVPIPが高くなっていて、タイトなプレーヤーはVPIPが低くなっています

自分と相手のプレースタイルを理解してプレーすることで、ポーカーで勝つ確率を上げることができます。

相手のプレーヤーをエクスプロイトすることに繋がる

VPIPを知ることは相手をエクスプロイトすることに繋がります。

例えば、相手のVPIPが通常よりも高いのであれば、よりハンドレンジを広くして3betや4betを打つべきです。

逆に、相手のVPIPが通常よりも低いのであれば、コールに留めたり、もしくは通常参加するようなハンドをフォールドする選択肢もあります。

また、自分が相手からどうみられているかも重要で、VPIPが高いと見られているなら、よりハンドレンジを狭めるべきです。

逆も然り、VPIPが低いとみられているなら、ハンドレンジを広げて、よりアグレッシブにプレーするべきです。

Chika

相手からどう見られているかというのも非常に重要なポイントです。

ポジション別のVPIP率の適正値

ポジション別のVPIP率の適正値


高い頻度でゲームに参加すると、勝率が低いハンドでもプレイしてしまい、チップを失う可能性が高まります。

そのため、適切なVPIP率でプレイすることが重要です。

今回は各ポジションのオープンレイズに焦点を当てて、適切なVPIPを見ていきます。

オープンレイズとは、プリフロップでまだ誰も参加してない時に、最初にレイズして参加することを指します。

GTO Wizardを使用して、キャッシュゲームの8MAX、スタックが100bbとMTTの8MAX、スタックが100bbを条件を設定しています。

キャッシュゲームとMTTの違い
  1. キャッシュゲーム,8MAX,100bb
  2. MTT,8MAX,100bb

キャッシュゲームの8MAX、スタックが100b

UTGのVPIP率

UTG オープンレンジ

UTG(Under The Gun)のVPIPは12.9%です。

UTGはテーブル全体のプレイヤーに対して、最初にアクションを行うポジションです。

そのためマルチウェイの状況でも、戦えるハンドで参加する必要があります。

ローポケットは非常に低い頻度での参加、エースでもオフスート(2枚の柄が揃っていない)のキッカーが10以下の場合はフォールドなど、参加できるハンドはかなり絞られています。

UTG+1のVPIP率

MP オープンレンジ

UTG+1のVPIPは14.7%です。

スーテッド(2枚のカードが同じ柄)のAであれば、オープンができます。

しかし、オフスートのエースやキングでは、UTGと同様にオープンできないハンドが多いです。

LJのVPIP率

LJ オープンレンジ

LJのVPIPは17.6%です。

UTGやMPでは100%の頻度でオープンできなかったATo(オフスート)、K8s(スーテッド)、6ポケなどが100%の頻度でオープンできるようになっています。

HJのVPIP率

HJ オープンレンジ

hJのVPIPは21.6%です。

hjからVPIPが20%を超えています。

エースのスーテッドであれば、どんなキッカーでもオープンできます。

ピクチャーカード(K,Q,J)同士の組み合わせであれば、どの組み合わせでもオープンできます。

COのVPIP率

CO オープンレンジ

COのVPIPは28.9%です。

一つ前のポジションのHJと比べて、KやQのスーテッドのオープンできるハンドが増えています。

Aのオフスートも以前のポジションより、オープンできるハンドが多くなっています。

A5oは2枚使いでストレートが完成するハンドであるため、A6oやA7oよりも参加頻度が高くなっています。

BTNのVPIP率

BTNのVPIPは42%です。

BTNはプリフロップ以降のポジションも優位であり、既に参加人数も減っているため、VPIPが高いです。

スーテッドの場合、A、K、Qならばどのキッカーでも参加できます。

また、ハイカードでなくても、76sや56sのようなコネクトスーテッドのハンドも増えています。

SBのVPIP率

SBのVPIPは48.6%です。

緑はリンプを表しています。

SB以外のポジションから参加する際は、少しでも人数を減らすために、レイズが推奨されます。

しかし、SBとBB以外に参加者がいない場合、既に参加人数が2人であること、BBに降りる選択肢が少ないことからリンプインの選択肢も出てきます。

参加率は一番高いですが、ピクチャーカードでもキッカーが弱いハンドであれば、参加しません。

ボタンの参加率から少し広がり、リンプインが含まれる程度です。

MTTの8MAX、スタックが100bb

UTGのVPIP率

UTGのMTT

キャッシュゲームよりも広くオープンしていることがわかります。

UTGのVPIPは16%です

これはMTTの場合アンティが払われるため、得られるチップの量がキャッシュゲームよりも増えるためです。

UTG+1のVPIP率

MTTのUTG+1

下のポケットペアとスーテッドコネクターをより広くオープンするようになります。

UTG+1のVPIPは19%です

リンプするレンジはないのでレイズで入るようにしましょう。

LJのVPIP率

MTTのLJ

ブロードウェイのオフスートをより広く開けるようになります。

LJのVPIPは22%です

HJのVPIP率

MTTのHJのVPIP率

ブロードウェイのスートハンドとスーテッドコネクターをより広くオープンします。

HJのVPIPは28%です

COのVPIP率

MTTのCOのVPIP率

より多くのスートハンドとAX、Kxのオフスートハンドをオープンします。

COのVPIPは36%です

BTNのVPIP率

MTTのBTNのVPIP率

BTNは最も良いポジションのため、非常に広いレンジでオープンします。

BTNのVPIPは56%です

半分以上のハンドをオープンすることになります。

SBのVPIP率

MTTのSBのVPIP率

MTTのSBのVPIPはキャッシュゲームと大きく異なります。

アンティがあるためほとんど降りるハンドがなくなります。

SBのVPIPは88%です。

【VPIP率別】プレイヤーに有効な戦略

【VPIP率別】プレイヤーに有効な戦略


各ポジションのVPIPは異なりますが、全ポジションを平均した適切なVPIPは約20〜25%です。

VPIP率別に有効な戦略をみていきます。

VPIP率15~21%の相手

VPIP率が低いプレイヤーは、勝率が高いハンドに絞って参加している傾向があります。

VPIP率が低いプレイヤーのオープンには、コールやレイズの頻度を下げて、損失を抑えましょう。

相手は強い手に絞って参加しているので、プリフロップ以降でも負けている可能性があります。

コールレンジは狭くする一方で、自身のオープンレンジは広くするのが有効です。

タイトプレイヤーは、中途半端なハンドではフォールドする傾向あるので、プリフロップで参加させないのも戦略の一つです。

VPIP率22~30%の相手

VPIPが適正な場合は、VPIPから相手の隙や傾向を見つけるのは難しいです。

参加回数だけではなく、適正なハンドレンジから異なるポイントがないか、他のプレイヤーとどのように戦っているかを見て、対策を練りましょう。

VPIP率31~40%の相手

VPIPが高いプレイヤーが参加するハンドには、弱いハンドも含まれています。

そのため普段よりもコールレンジを広げても、自分が勝っている可能性が十分にあります。

コールレンジを広げるのも対策の一つですが、3betも有効です。

様々なハンドでオープンはしても、3Betに対抗できるハンドが少ないため、3betをされると降りざるを得ません。

VPIPが高いプレイヤーには、コールレンジは広くする一方で、オープンレンジは狭くします。

相手は勝率が低いハンドでもコールしてくれる可能性が高いので、しっかり強いハンドのみをぶつけてバリューを取りましょう。

VPIP率に関するQ&A

VPIP率に関するQ&A

ここではVPIP率に関するQ&Aを紹介します。

ライブポーカーの場合はVPIP率はどのように認識するべきですか?

ライブポーカーで正確なVPIP率を計算するのは難しいです。

今回紹介したハンドレンジを参考に降りるべきハンドの時はしっかり降りて、ミスプレイを無くしましょう。

ライブポーカーでは1時間で平均的には30ハンド配られると言われています。

そのために、1時間であれば6回参加するのが目安とも言えます。

Chika

プレミアハンドが2回連続で来ることもあるので、その時はVPIP率は無視しちゃいましょう!

VPIPの正式名称はなんですか?

VPIPの正式名称は「Voluntarily Put In Pot」。

直訳すると、自発的にポットにチップを入れる割合を示します。

日本では参加率と言われることもあります。

VPIP率の正解を調べるツールはありますか?

自分のVPIP率が適正であるかを調べるツールはありません。

しかし、GTO WizardのANALYZEモードを使えば、自身のハンドをアップロードして、GTOによる解析を行うことができます。

他にも、GTO Wizardで適正なハンドレンジを調べる、プリフロップの一問一答を解く等、適正なオープンや3betを確認することができます。

【まとめ】VPIP率について

今回はゲームの参加率とも言える、VPIP率を紹介しました。

プリフロップは、ポーカーを上達させるためには、最初に取り組むべき重要な要素です。

今回の記事で紹介したVPIP率はあくまで一例です。

スタックの量や人数、アンティの有無で、ハンドレンジもVPIP率も変わっていきます。

より深い勉強をしたい人は自分で調べてみるとより理解が深まります。