ポーカー トーナメント 戦略

ポーカーのトーナメント戦略|特徴や性質まで紹介

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本記事はこんな方におすすめ!

・トーナメントを上手にプレイしたい人
・トーナメントの特徴を知りたい人
・キャッシュとトーナメントの違いを知りたい人

国内のポーカー人気は高まっており、店舗だけでなく、大型大会でトーナメントが毎月開催されています。

日本では、現金をチップとして扱うキャッシュゲームが違法であるため、トーナメントの方が多く行われています。

初心者の方は、大型大会で優勝や賞金獲得を目標にしている方も多いんじゃないでしょうか?

今回は、トーナメントの戦略に焦点を当てて解説します。

当記事のまとめ
  • トーナメントはチップの価値が変動することを理解することが大切
  • インマネラインを考えて、早めに行動する事を意識する
  • 自分のスタックと相手のスタックによって、取る戦略を変えることが重要

この記事のライター
Chika 27歳・ポーカー歴4年
ライブトーナメント獲得賞金額1,500万円超

MTTが得意で年間7~8回ポーカーのために海外遠征する

この記事の監修者
鈴木 拓也 KKPOKER契約プロ
世界大会WSOP $1500NLHにてFT進出(7位入賞)経験を持つ。

様々な国内イベントにて配信卓の解説を務める。
@suzukitakuyakkk

ポーカーのトーナメント戦略を学ぶ上で重要な考え方

ポーカーのトーナメント戦略を学ぶ上で重要な考え方

ポーカーには、「トーナメント」と「キャッシュゲーム」の2つ形式があります。

どちらも基本的なルールは同じであり、各ハンドの勝敗も同じ基準で判断されます。

しかし、ゲーム形式が異なるだけで、プレイヤーが採用すべき戦略も大きく異なります。

まずは戦略を学ぶ前に、トーナメントの特徴を2つ紹介します。

チップの価値と変動について

キャッシュゲームでは、プレイヤーは賭けることができるチップの量がそのまま現金となります。

したがって、チップの価値は固定されており、時間が経過しても変動しません。

一方で、トーナメントでは、全員が同じ参加費で、同じ量のチップを持ってスタートします。

トーナメントは、時間が経過するにつれて、ブラインド(ゲームの参加費)が上がり、チップの価値も変動します。

同じトーナメントチップ30,000点でも、ビッグブラインド(BB)が200点のときは150BBですが、BBが1,500点のときはわずか20BBしかありません。

そのためプレイヤーは、ゲームの進行に合わせてタイミングに応じた戦略を採用しなければなりません。

賞金の獲得方法

キャッシュゲームは、現金をチップとして使っているので、いつでも賞金の獲得が可能です。

そのため、目標となる金額を獲得したら、いつでもゲームを終了して利益を確定することができます。

一方トーナメントは、生き残った順位に応じて賞金が与えられます(一番長く生き残った1位に多くの賞金が与えれます)。

そのため、いくらゲームの途中でチップを多く持っていても、インマネの圏外で終わってしまうと、賞金は全く獲れません。

Chika

トーナメントでは自分のチップがなくなる(=飛ぶ)か、自分が1位になるか以外に終了方法がありません。

そのため相手のリスクを加味したオールインがキャッシュゲームよりも多くなります。

ポーカーのトーナメントの特徴や性質

ポーカーのトーナメントの特徴や性質

トーナメントは、ゲームが進行するにつれてさまざまな特徴や性質が現れます。

ポーカーのトーナメントの特徴や性質
  • ブラインドが上がる
  • バブルラインが存在する
  • オールインが多くなる

それぞれの特徴についての説明します。

ブラインドが上がる

トーナメントでは、一定の時間が経つ毎にブラインド(ゲームの参加料)が上がります。

キャッシュゲームでは、ブラインドはテーブルのレート毎に固定されているため、途中でブラインドの変更はありません。

最初のレベルはSB100、BB/Ante200など低いブラインドからスタートします。

しかし、時間が経つ毎にSB10,000、BB/Ante20,000のように、高額ブラインドに変化していきます。

これにより、プレイヤーは徐々に多くのチップを賭けることを余儀なくされ、積極的なプレイが必要な場面が出てきます。

ブラインドの上昇により、プレッシャーもかかり、自分のスタックに応じたプレイが求められます。

Chika

こまめにブラインドと自分のスタックの相対的評価をしましょう。

ブラインドが上がってくるので、チップを増やしていかないと生き残れなくなります。

バブルラインが存在する

キャッシュゲームは、好きなタイミングで退場して利益を確保できます。

しかし、トーナメントは、プレイヤーが賞金を獲得するためには、一定の順位に入る必要があります。

バブルラインとは、トーナメントであと1人が脱落すれば、入賞が確定する状態のことです。

Chika

例えば上位30人が入賞(インザマネー)のトーナメントで、残り31人の状況を「バブル」と呼びます。

バブルラインを超えれば、残っているプレイヤーは入賞が確定します。

バブルラインに近いタイミングでは特に慎重になる必要があり、その時点で持っているチップの量によってプレイの戦略が大きく変わります。

Chika

バブルラインで自分よりショートスタックのプレイヤーがいる場合、自分がそこで無理をする必要はありません。

ショートスタックが飛ぶまで耐えて、まずはインマネを狙うことも戦略の1つです。

バブルラインを意識して、リスクを最小限に抑えつつ積極的なプレイを心掛けることが成功への鍵となります。

オールインが多くなる

トーナメントが進行するにつれてブラインドが上昇するため、残存プレイヤーの平均BB数も減少していきます。

終盤に差し掛かると、全プレイヤーの平均スタックが30BB以下になることも珍しくありません。

そのため、ショートスタックのプレイヤーは、オールインを選択する状況が多くなります

キャッシュゲームでは、スタックが少なくなればチップの再購入が可能です。

しかしトーナメントは、エントリー締め切り後にチップを足すことができないためです。

つまりトーナメントでは、ショートスタックになってもそのスタックで戦わなければならず、プリフロップでオールインすることも珍しくありません。

ポーカーのトーナメントで使う戦略・勝ちやすくなる方法

ポーカーのトーナメントで使う戦略・勝ちやすくなる方法

先程紹介したトーナメントの特徴を理解した上で、 これからはトーナメント特有の戦略に焦点を当てていきます。

トーナメントで勝ちやすくなる方法
  • M値を学ぶ
  • 時間帯でプレイスタイルを変える
  • 序盤&エントリー締め切り前
  • エントリー締め切り後
  • インマネバブルやファイナルテーブルバブル
  • 相手にアジャストする

M値を学ぶ

M値とは、あと何周で自分のスタックが無くなるかを表す数値です。

M値が3の場合、すべてのハンドをフォールドした場合に、3周は耐えられるということを表します。

M値が高いとき、低いときによって戦い方を変えることが望ましく、その判断基準のために使われます。

M値の使い方

M値が高いとき(目安:20以上)・・・通常通りのプレイ

M値が低いとき(目安:10以下)・・・プッシュorフォールド寄りのプレイ

そんなM値の計算方法は以下のとおりです。

期待値の計算方法

M値 = 自分のスタック÷(SB+BB+Ante)

例えば、自分のスタックが残り30,000点で、SBが1,000、BB/Anteが2,000の時は、

M値の計算例

M値 = 30,000÷(1,000+2,000+2,000)

M値は6になるため、プッシュorフォールドで戦っていくことで利益を最大化させることができます。

トーナメントは生き残りをかけたゲームなので、ブラインドによって自然死することを避け、適切なタイミングでプッシュしてチップを取りに行きましょう。

Chika

自分よりM値が低いプレイヤーがいる場合は、そのプレイヤーからオールインされやすいので、各プレイヤーのチップを確認するのを忘れないようにしましょう。

時間帯でプレイスタイルを変える

キャッシュゲームと異なり、トーナメントでは時間帯でプレイスタイルを変えるのを有効的です。

いくつかの時間帯で分かれるので見ていきましょう。

序盤&エントリー締め切り前

この段階ではチップが十分にあり、ミスプレイを取り戻す余裕がありますし、リエントリーの機会もあります。

エントリー締め切り時に十分なチップを持っている場合は、プレイの選択肢が増えるため、積極的なプレイがおすすめです。

56などのスーテッドコネクターやローポケットなどの投機的なハンドも使いながら、チップを増やしていきましょう。

エントリー締め切り後

締め切り後のエントリー、リエントリーができないので、序盤より慎重なプレイが求められます。

慎重にプレイが求められる反面、1BBの価値が非常に高くなっているので、過度に慎重になるとチップが削られてしまいます。

トーナメント後半は、ショートスタックやビッグスタックのプレイヤーが混在するため、相手のスタックを見ながらプレイしましょう。

インマネバブルやプライズジャンプ前

チップの量より、自分の順位を一つあげることの方が非常に価値が高い局面。

ミドルスタックの場合は、ショートスタックが飛ぶまで動きづらくなり、チップリーダーの場合は、そんなミドルスタックのプレイヤーに対しプレッシャーをかけていく戦略がとられます。

Chika

とにかく自分のスタックと相手のスタックによって、取るべき戦略が変わっていきます。

耐えるも良し、プレッシャーをかけにいくも良し。相手をよく観察して判断しましょう!

相手にアジャストする

相手のプレースタイルや傾向を把握し、その情報に基づいて自分のプレイを調整することは、ポーカートーナメントで成功するための重要なスキルです。

タイトなプレイヤーには積極的に、アグレッシブなプレイヤーには慎重に対応するなど、相手のプレースタイルに対応したプレイを心掛けましょう。

ポーカーは相手の心理を読むことが不可欠なゲームです。

相手のプレースタイルや傾向を把握し、それに合わせて柔軟にプレイすることで、有利な局面を作り出すことができます。

ポーカーのトーナメントの練習方法

ポーカーのトーナメントの練習方法

ここではポーカーの練習方法について紹介します。

ポーカーのトーナメントの練習方法
  • フリーロールに参加する
  • ハンドレンジを覚える
  • 全てのアクションに理由を持つ

フリーロールに参加する

まずは実践を重ねて、経験を積むことをお勧めします。

フリーロールは、コストをかけずにトーナメントの経験を積む絶好の機会です。

フリーロールであれば、試したことないのプレイスタイルを実験するのにも最適です。

Chika

無料でプレイできるアプリを、「ポーカーアプリおすすめ人気ランキング」 で紹介しています。

自分の好みに合わせてアプリを選びましょう。

またフリーロールを行っているアミューズメントカジノもあります。

ハンドレンジを覚える

ハンドレンジとは、プリフロップで配られた2枚で、ゲームに参加するかしないかを判断するレンジ(範囲)です。

プリフロップがプレイヤーが一番多く遭遇する場面なので、プリフロップのミスを減らせればゲーム全体のミスも大きく減らせます。

編集部

ハンドレンジの暗記は、後に紹介するGTOツールを使えば、無料で勉強もできます。

全てのアクションに理由を持つ

ポーカーは、不完全情報ゲームでもあり、運の要素が強いゲームです。

しかし、なんとなくという理由でプレイを続けても決して上手くなりません。

大事なのは、どのアクションを選択したのかではなく、どのような理由でそのアクションを選択をしたのかです。

なぜそのタイミングでベットするのか、なぜフォールドするのか、全てのアクションに理由を持つことで、自分のプレイに反省すべきポイントがないか振り返ることができます。

ポーカーのトーナメント戦略に使うツール

ポーカーのトーナメント戦略に使うツール

ポーカーを勉強するうえで、GTO戦略の学習は最も効果的と言われています。

編集部

GTO戦略とは、Game Theory Optimalの略でゲーム理論に基づいた最適な戦略です。

GTO戦略を忠実に再現できれば、負けることは無いとまで言われています。

そこで、ここからはGTO戦略を学ぶ上で必要なGTOツールを紹介します。

GTOWizard

GTOWizard

GTOWizardは、GTOツールの中でも最も人気のあるアプリケーションです。

様々な機能を駆使して、自分が気になったハンドをどのアクションするべきだったか振り返る、GTOを元にしたコンピューター相手に実践形式の練習が可能です。

GTOWizardは既に計算された結果を表示するため、高スペックなパソコンも必要ありません。

多角的な勉強法を実践したい人にオススメのツールです。

以下のリンクからGTOWizardに登録すると、10%OFFで初回購入が可能なので、ぜひ登録してみてください。

PokerSnowie

PokerSnowie

Poker SnowieはAIの最新技術を駆使したトレーニングツールです。

Snowieはトレーニング、分析、ハンド解析の機能を備え、スマホでも使える手軽さも特徴の一つです。

人工知能による機械学習をベースにしたツールなのでGTOとは異なるベースですが、使用料金も安いためコスパよく学べるツールです。

PioSolver

PioSolver

Piosolverは入力した情報を解析し、GTO戦略を表示してくれる計算ツールです。
先ほど紹介したGTOWizardが解析に使用しているのも、Piosolverです。

GTOWizardは既に計算済みの結果を表示しますが、Piosolverは細かい設定を入力をして計算をしてくれるツールなので、より突き詰めたい人にはオススメのツールです。

Piosolverは計算ツールなので、ハイスペックのパソコンでないと使いこなせないのが難点です。

ポーカーのトーナメントが上手い人・強い人を調査

ポーカー トーナメント 上手い 強い人を調査

ポーカーのトーナメントにて、上手いもしくは強いと言われる人を調査しました。

ここでは、世界で活躍するプロのポーカープレイヤーを紹介します。

ポーカーのトーナメントが上手い人・強い人
  • Bryn Kenney(ブライン・ケニー)
  • Daniel Negreanu(ダニエル・ネグラヌ)
  • Isaac Haxton(アイザック・ハックストン)

Bryn Kenney(ブライン・ケニー)

名前Bryn Kenney/ブライン・ケニー
生年月日1986年11月1日(年齢:37歳)
出身地アメリカ、ニューヨーク州
生涯獲得賞金$65,075,688(2023年12月時点)

1人目に紹介するのはBryn Kenney(ブライン・ケニー)です。

ブライン・ケニーは、アメリカのニューヨーク州で生まれ育ったプロのポーカープレイヤーです。

Chika

世界の生涯獲得賞金ランキングでは、2023年12月時点で第一位となっています!
(参照:The HENDON MOB)

ハイローラーイベントの常連として有名で、2019年にロンドンで開催された「Triton Poker Super High Roller Series」では、ライブトーナメント史上最高額となる$20,563,324(約26億円)を獲得しています。

Daniel Negreanu(ダニエル・ネグラヌ)

名前Daniel Negreanu/ダニエル・ネグラヌ
生年月日1974年7月26日(年齢:49歳)
出身地カナダ、オンタリオ州トロント
生涯獲得賞金$51,536,999(2023年12月時点)

2人目に紹介するのはDaniel Negreanu(ダニエル・ネグラヌ)です。

ダニエル・ネグラヌは、カナダのトロント出身のプロポーカープレイヤーです。

WSOPブレスレッドを6つ獲得したり、WPTチャンピオンシップタイトルを2つ獲得、WSOP年間最優秀プレイヤーに2度選出されるなどいくつもの偉業を成し遂げています。

Chika

WSOPのFT(ファイナルテーブル)に進出した回数は驚異の39回だそうです!

ダニエル・ネグラヌの強みは卓越したハンドリーディングです。

テーブルではよく喋ることが印象的で、相手プレイヤーの仕草や会話、アクションからハンドを予想する能力に長けています

その凄さがわかる動画がありましたのでぜひご覧ください↓

Isaac Haxton(アイザック・ハックストン)

名前Isaac Haxton/アイザック・ハックストン
生年月日 1985年9月6日(年齢:38歳)
出身地アメリカ、ニューヨーク州
生涯獲得賞金$45,361,012(2023年12月時点)

最後に紹介するのはIsaac Haxton(アイザック・ハックストン)です。

アイザック・ハックストンは、アメリカ・ニューヨーク州出身のプロポーカープレイヤーです。

18歳にポーカーを始め、2007年開催のWPTチャンピョンシップイベントで初のトーナメント優勝を果たしています。

2023年に出場したトーナメントのほとんどで、ファイナルテーブルまで残るという驚きの結果を残しており、2023年内の獲得賞金ランキングでは第一位となっています。

Chika

今最も勢いのあるポーカープレイヤーの一人と言えるでしょう

【まとめ】ポーカーのトーナメント戦略について

【まとめ】ポーカーのトーナメント戦略について

今回はポーカートーナメントの戦略について紹介しました。

トーナメントの特徴を理解し、それに適応することが重要です。

GTOツールなどを用いて正しいアクションを知っていきながら、トーナメントで勝てるように勉強を重ねましょう!