PokerChoiceを信頼できる理由
- ポーカーの専門家5人による情報の提供・発信（ライター・監修者一覧）
- ポーカープロ・大型トーナメント上位者による記事監修
- 実際の生データによる検証・実験
- 第三者からの客観的な評価軸による発信（コンテンツ制作ポリシー）
戦略や評価を含むPokerChoiceのコンテンツは、ポーカープロや国内外大型トーナメント上位者を含む編集者のチームによって監修されています。コンテンツ編集者は、編集の完全性に関するPokerChoiceの厳格なガイドラインに従います。
この記事ではレイズの種類、レイズのタイミングを初心者でもわかりやすいように詳しく解説しています。
- レイズとベットの違いを知りたい方
- レイズの種類を知りたい方
- 有効なレイズのタイミングがわからない方
皆さんは一度でも”ポーカーで勝つにはどうしたらいいのか分からない！”と思ったことはないでしょうか？
なかなか勝てないと、必勝法を知りたくなりますよね。
そんなあなたのために数あるアクションの1つであるレイズの有効的な使い方を紹介します。
この記事を読めば、レイズの特徴が分かってポーカーが楽しくプレーすることができます。
- レイズとは相手のベットにさらに上乗せしてベットすること
- バリューとしてもブラフとしても使える
- ポーカーの複数あるアクションの1つ
この記事のライター
Chika 27歳・ポーカー歴4年
ライブトーナメント獲得賞金額1,500万円超
MTTが得意で年間7~8回ポーカーのために海外遠征する
この記事のライター
Masa 30歳・ポーカー歴2ヶ月
転職を機に北海道から上京し、都内のアミューズメントポーカー店舗でポーカーと出会う。
初心者ながら、ポーカーの魅力を知ってから毎日勉強中
ポーカーのレイズとは
レイズとは、自分の直前に相手がベットしたチップ額に上乗せするアクションを指します。
バリューでポットを膨らませて利益を最大化したり、ブラフで相手を降ろしたりする目的のアクションになります。
レイズは先に誰かがベットした状態でさらに上乗せするアクションであるため、非常に攻撃的なアクションと言えます。
ポーカーは積極的に自分からベットするのが重要なので、レイズをしなければポーカーで勝つことはできません。
レイズ・ベット・コール・チェックの違い
レイズとベット、コールとチェックは混同しやすいためそれらについての詳細を紹介していきます。
- レイズ(raise)
- ベット(bet)
- コール(call)
- チェック(check)
レイズ（raise）
レイズとは、自分の直前に相手がベットしたチップ額に上乗せするアクションを指します。
ベット（bet）
ベットとは、順番やラウンドに関わらず、相手プレイヤーが誰もチップをテーブルに出していない状態で初めてチップを賭けるアクションを指します。
これらの二つの用語は間違いやすいので、初心者の方は混同しないようにしましょう。
コール（call）
コールとは、自分の直前のプレイヤーと同じ額のチップを賭けることを指します。
チェック（check）
チェックとは、プレーヤーがそのラウンドで追加の賭けをせず、アクションを次のプレーヤーに回すことを意味します。
また、コールとチェックは自分からベットするアクションではないため間違いやすいです。
私もポーカー始めたての頃は、レイズ・ベット・コール・チェックを間違えて発声したことがありますが、これは初心者あるあるでディーラさんが優しく対応してくれるため合ってるかどうか心配にならなくても大丈夫です！
それぞれの用語と意味、関連用語を下の表にまとめてみました。
| 用語 | 意味 | 関連用語 |
|---|---|---|
| レイズ | 相手のベットが入っている状態でさらにベットすること | リレイズ、チェックレイズetc |
| ベット | 誰もチップを出していない状態で、初めてチップを賭けること | バリューベット、ブラフベット、ブロックベットetc |
| コール | 誰かがベットしている状態で、それと同じ額のチップを賭けること | コールドコール、フラットコールetc |
| チェック | プレーがそのラウンドで追加の賭けをしないで、次のプレーヤーに回すこと | チェックレイズ、チェックコールetc |
ポーカーのレイズの種類
ポーカーのレイズには、いくつかの種類があるのでそれらについて紹介していきます。
初心者の方はこの章を参考にしてどのような種類のレイズがあるのかを覚えましょう。
- ミニマムレイズ
- リレイズ
- チェックレイズ
ミニマムレイズ
ミニマムレイズはレイズできる最小の額をレイズすることです。
- プリフロップで最初にレイズする人はビッグブラインドの2倍
- レイズにさらにリレイズする場合は、直前のレイザーのレイズ金額＋上乗せされた金額
ミニマムレイズの具体例
ブラインドが100-200だった場合、最初にレイズする人のミニマムレイズ額は400です。
そこからリレイズする場合、直前のレイザーのレイズ金額が400で、上乗せされた金額は400-200=200なので200になります。
よって、ミニマムレイズ額は400＋200で600となります。
まだわからない人もいると思うので、もう一つ例を挙げてみましょう。
ブラインドが1,500-3,000で、すでに他のプレーヤーからレイズ7,000が入っています。
この時あなたのミニマムレイズは何点でしょう？
↓
↓
↓
↓
正解は11,000です！
直前のレイズ額が7,000で、上乗せされた金額は7,000-3,000=4,000なので、7,000＋4,000で11,000になります！
あなたはわかりましたか？
ミニマムレイズは相手をフォールドさせることができないため、使うことはほとんどないです。
レイズする時は3~4倍くらいのサイズを使うことが一般的になっています。
バリューもブラフも中途半端な額をレイズするよりは振り切った額を使うべきです。
レイズのサイズの詳細は後の章で詳しく書いています。
リレイズ
リレイズとはレイズに対して上乗せしてレイズすることです。
リレイズを別名3betといいます。
特に自分のスターティングハンドが強いときやレイズした相手のVPIP（参加率）が高く、広いレンジの人に対して3betするのがおすすめです。
ただし、スターティングハンドが強い時のみ3betを打ってしまうとハンドが透けてエクスプロイト（搾取）されてしまうので、マージナルなハンド（強くも弱くもないハンド）も3betに混ぜて相手のミスプレイを狙いましょう。
リレイズ(3bet)に対してさらにレイズすることをリリレイズ(4bet)と言います。
その後も5bet、6betと続いていきます。
特にBBからの3betは注意が必要です。
BBはコールをするレンジが広く、3betを打つのはポラライズしたレンジを使います。
ポーカーのハンドレンジについては下記の記事から見ることができます。
チェックレイズ
チェックレイズはフロップ以降で、アウトオブポジションのプレーヤーが一度チェックをした後相手のベットに対してレイズすることです。
チェックレイズは一度チェックしてからレイズするため、ややトリッキーなアクションになります。
チェックレイズを選択肢の中に入れると、プレーの幅が広がり、相手からつけ込まれないようになります。
チェックレイズをする人はいますが、多くの人はバリューのみになってしまっているので、そこにブラフを混ぜられるようになりましょう。
ポーカーのチェックレイズに関してはこちらの記事を参考にしてみてください。
ポーカーでレイズをするべきタイミング
レイズをするときも適切なタイミングでしないと、ただチップを減らすだけになってしまうので、注意が必要です。
そこで、レイズをする適切なタイミングについてこの章では説明していきます。
特に初心者の方はどこでレイズをしたら良いのか理解していない人も多いので、ぜひ参考にしてください。
- ポットを大きくしたいタイミング
- 相手をフォールドさせたいタイミング
- 相手のエクイティを奪いたいタイミング
- セミブラフをするときのタイミング
ポットを大きくしたいタイミング
ポーカーのゲームの性質上バリューベット（相手よりも自分のほうが強いため利益を最大化するベット）であれば最大限ポットを膨らませて多くのチップを手に入れることが大切です。
ポットをふくらませることが目的なので、バリューターゲットを定めて相手にコールしてもらえる額でベットやレイズします。
バリューターゲットの定め方は自分の役より少し弱い役を持っていると仮定して、それらの役にコールしてもらえる額を設定しましょう。
バリューターゲットを定めることはポーカーの基礎を知っている方がうまくいくのでポーカーのプリフロップハンドレンジ表｜事例や覚え方のコツを紹介を参考にしてください。
相手をフォールドさせたいタイミング
基本的に相手にフォールドさせたいタイミングはブラフベットする時に用いるアクションです。
言い換えれば、ショーダウンバリュー（自分のハンドがショーダウンする価値）がない時にするアクションとも言えます。
例えば、リバーでドロー(あと1枚で役が完成すること)が滑ったときやフロップ・ターンでプロテクト(ターン・リバーで逆転されるのを防ぐこと)したいときに有効です。
また、初心者のうちはバリューベットとブラフベットを意識しないで額をつり上げてしまい、利益どころか損失を生む可能性があります。
ブラフレイズはコールされると、チップを大きく失う可能性のあるアクションのため、根拠を持ってブラフする必要があります。
相手のナッツをブロックしていたり、自分のハンドにドロー滑りのカードがないなどです。
相手のエクイティを奪いたいタイミング
エクイティとはハンドがショーされた場合、勝率をもとにしたポットの所有額を示すものです。
エクイティの求め方はポットサイズ × 勝率になります。
つまり、エクイティを奪うとは自分のベットによって相手をフォールドさせて、相手の獲得チップを０にするということです。
エクイティを奪いたいタイミングはブラフベットしているときです。
うまくエクイティを奪うためには相手のハンドを予測し、アウツ（役を完成させるために必要なカード）を考える必要があります。
- ターンの場合：アウツの枚数×4％
- リバーの場合：アウツの枚数×2％
ポーカーの確率に関する詳しい記事はこちらです。
セミブラフをするときのタイミング
セミブラフとはエクイティで負けていても、ターンやリバーで勝つために役が進化する可能性のあるドローでベットまたはレイズすることを指します。
セミブラフはAハイやKハイなどのショーダウンバリューがなく、ターンやリバーで相手の役よりも強くなるストレートドローやフラッシュドローを持っているタイミングで行います。
また、フォールド過多の相手に対してはAハイやKハイを降ろせる可能性があるので積極的にセミブラフしましょう。
- 初心者のうちはバリューベットとブラフベットを意識しないで額をつり上げてしまい、利益どころか損失を生む可能性があります。
- そのため、ポーカーのブラフとは｜ブラフキャッチのコツも解説の記事を読んでポーカーを上手になりましょう！
ポーカーのレイズのサイジング
ポーカーはベットする際のサイズは非常に重要になります。
初心者の方はどのくらいのレイズをしたら良いのかわからない人も多い印象です。
そこで、この章ではレイズをする際のサイジングについて詳しく紹介していきます。
レイズのサイジングについてはGTO Wizardを参考にしています。
- 100bb以上のエフェクティブスタック
- 50bbのエフェクティブスタック
- 30bbのエフェクティブスタック
- 20bbのエフェクティブスタック
100bb以上のエフェクティブスタック
100bb以上のエフェクティブスタックがある場合、インポジションからは3~4倍のレイズが基本です。
GTO WizardをみるとHJの2.3bbオープンに対してCOは8bbのレイズを返しています。
アウトオブポジションの場合は4~5倍のレイズをするようにしましょう。
GTO WizardでHJの2.3bbオープンに対してSBからは11bbのレイズを返しています。
なんでアウトオブポジションの時はサイズが大きくなるのですか？
アウトオブポジションの人はポストフロップでポジションがないため、プリフロップでなるべくエクイティを実現させるためです。
50bbのエフェクティブスタック
50bbのエフェクティブスタックの場合は、インポジションから3倍ほどのレイズが基本です。
GTO Wizardをみると、HJの2.3bbオープンに対して3倍の6.9bbのレイズを返しています。
アウトオブポジションの場合は約4倍のレイズをするようにしましょう。
GTO Wizardでは、HJの2.3bbのオープンに対してSBから9.2bbのレイズを返しています。
エフェクティブスタックが小さくなるにつれて、ベットサイズも小さくなります。
30bbのエフェクティブスタック
30bbのエフェクティブスタックの場合は、インポジションから3倍のレイズが基本です。
GTO Wizardをみると、HJの2.1bbオープンに対してCOから6.3bbのレイズを返しています。
アウトオブポジションからは3倍ちょっとのレイズをします。
GTO Wizardを確認すると、HJの2.1bbオープンにSBは7.5bbのレイズを返しています。
30bbほどになると3betポットでコミットしてしまうことも多くなるため、コミットしないようにベットすることも重要です。
30bbになるとアウトオブポジションからオールインの頻度があります。
20bbのエフェクティブスタック
20bbのエフェクティブスタックになると、インポジションもアウトオブポジションもオールインの割合が高くなります。
GTO Wizardをみると、インポジションからレイズは全てオールインになっています。
GTO Wizardをみると、レイズはほぼオールインになっています。
20bbになってくると3betオールインをすることの方が多くなります。
しかしオープンしたポジションによっても変わります。
ポーカーでレイズをするときに考えるべきこと
ポーカーをプレーしていてレイズをする際には、考えるべきことがあります。
初心者の方は特に下記に書いていることを注意しながらプレーするようにしましょう。
- 相手のプレーヤーの特徴を理解する
- MTTの時は置かれたシチュエーションも考慮する
相手のプレーヤーの特徴を理解する
相手の特徴に合わせてレイズをするかしないかを決めるのは非常に重要です。
レイズによく降りるプレーヤーであれば、ハンドレンジを広げてレイズを高頻度で行うことが肯定されます。
しかし、レイズに対して降りないプレーヤーを相手にする時は、ハンドレンジを絞って強いハンドに寄せてレイズをする方が得になります。
ハンドレンジについてはGTOよりも広いか狭いかで考えるので、GTOを学ぶことは重要と感じます。
MTTの時は置かれたシチュエーションも考慮する
MTTの場合、ICMや残り人数、プライズジャンプなどを考慮する必要があります。
- ICM（Independent Chip Model）は、ポーカーにおけるチップの価値を評価するためのモデル
- 特にトーナメントで使用される概念で、各プレイヤーの持つチップ量を、その時点での賞金分配に対する期待値に変換する方法
- ICMは、プレイヤーのチップの枚数が直接的に賞金に対応しない場合に、その価値を公平に評価するために使われる
ICMを考慮すると、普段よりもレイズ頻度を下げるべき場面や、逆に上げるべき場面があります。
特にインマネ直前のバブルラインでは、テーブルのチップリーダーはレイズの頻度が上がり、ショートスタックでチップ一枚の価値が高くなっているプレーヤーは普段よりもハンドレンジを狭くする必要があります。
これもまた、レイズをする際には考えなくてはならない概念の一つです。
日本のトーナメントでは賞金がトップヘビーすぎるため、優勝を狙うためにあえて分散のあるプレーをする人もいます。
ポーカーのレイズに関するQ&A
レイズに関してよくある質問について紹介します。
レイズについてわからないことがある人はこの章で解決しましょう。
- レイズ額は何倍程度が望ましいですか？
- レイズの最少額はありますか？
- レイズは何回までできますか？
レイズ額は何倍程度が望ましいですか？
スタックによって変わりますが基本的にプリフロップは3〜4倍程度が定石です。
もちろん、トーナメント終盤で1BBの価値が大きくなるシチュエーションでは2BBのミニマムレイズを選択する余地があります。
3bet(プリフロップの時のリレイズ)はインポジションで3倍程度、アウトオブポジションで4倍程度打つのが定石です。
レイズサイズはスタック量によって変化するので、自分のスタックと相手のスタックをしっかり確認するようにしましょう。
下の動画は「銀河」さんの動画になります。
レイズの最少額はありますか？
最少のレイズ額は前述したミニマムレイズの計算方法から求めることができます。
BBの額によって最少額が変動するので、特にトーナメントではブラインドを頭に入れてプレーしましょう。
しかし、ミニマムレイズはほとんど使うことはないと考えてもらって大丈夫です。
ミニマムレイズはエクイティを実現しずらいのでなるべく使わないようにしましょう。
レイズは何回までできますか？
レイズが返ってくる限りオールインになるまで何回でもできます(NLHの場合)。
また、レイズを何回も返してくる行為は役がとても強いので自分の役がどれほどの強さであるか考えてアクションしましょう。
何回でもレイズすることはできますが、5betまでにはオールインになることがほとんどです。
【まとめ】ポーカーのレイズについて
今回はポーカーのレイズについて解説しました。
レイズ1つで相手に与える影響や戦略といったポーカーの奥深いゲーム性が垣間見えたのではないでしょうか。
この記事にはポーカーのレイズの基本がまとまっているため、ポーカーをする際に用語や戦略を忘れた方は、本記事を読み直してぜひ覚えてみてください。
