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- ヘッズアップ(Heads Up)という言葉の意味がわからない
- ヘッズアップ(Heads Up)の戦い方が全然わからない
- いろいろな用語や戦術を知りたい
この記事では、ヘッズアップ(Heads Up)の意味や戦略を紹介します。
具体例もあるので、ヘッズアップ(Heads Up)を知ってプレーの幅を広げることにお役立ていただけるかと思います。
ヘッズアップと他の複数人でプレーする時の違いがあまりわかっていません。
実はヘッズアップとマルチウェイではプレーが全く異なるので、それらについて本記事では説明していきます!
よろしくお願いします!
ヘッズアップについて深く理解できるように頑張ります!
この記事のライター
Chika 27歳・ポーカー歴4年
ライブトーナメント獲得賞金額1,500万円超
MTTが得意で年間7~8回ポーカーのために海外遠征する
この記事のライター
Masa 30歳・ポーカー歴2ヶ月
転職を機に北海道から上京し、都内のアミューズメントポーカー店舗でポーカーと出会う。
初心者ながら、ポーカーの魅力を知ってから毎日勉強中
ポーカーのヘッズアップ(Heads Up)とは?
ヘッズアップとは、ポットを1対1(2人のプレイヤー)で争うことを言います。
テーブルに2人しかいない場合はもちろん、テーブルに9人いるうちの7人がフォールドしてアクティブプレイヤーが2人になった場合もヘッズアップと呼びます。
聞き慣れない単語だと思いますが、そもそも「ヘッズアップ(heads up)」とはどういう意味でしょうか?
英語の直訳は、「注意喚起」や「警告」といった意味です。
例えばトーナメントで残り2人となった時、どちらが優勝するのかいよいよ決まります。
決勝戦はみんな注目するということから「注目する」という意味から「ヘッズアップ」と呼ばれるようになったものと考えられます。
ちなみに、フロップ以降の参加人数が3人以上である状況は、マルチウェイと呼びます。
さらに、3人ならスリーウェイ(three way)、4人ならフォーウェイ(four way)…と、参加人数に合わせて表現することもできます。
フロップを開く時点でヘッズアップになるシチュエーションとしてよくあるのは、BTNの人の前までがフォールドしてBTNがレイズで参加、SBがフォールド、BBがコールした場合です。
または、BTNもフォールドでSBがコール、BBがチェックなどです。
SB vs BBになった場合を特にブラインドヘッズと呼びます。
ヘッズアップの状況にもポジションごとにいくつも種類がありますが、この記事ではブラインドヘッズを前提として、ヘッズアップに関する解説をしていきます。
プリフロップを終えてフロップを開くタイミングで、人数確認のためにディーラーさんが「ヘッズアップ!」や「スリーウェイ!」などの宣言をしてくれます。
ポーカーのヘッズアップ(Heads Up)の特徴
ヘッズアップと複数人でプレイしている時とでは、戦略が大きく異なります。
そこで、ヘッズアップの特徴についてこの章では紹介していきたいと思います。
ヘッズアップは専門に勉強している人がいるほど、一つのフィールドとして確立されています。
ではヘッズアップはどのような特徴があるのか見ていきましょう!
- ハンドレンジが非常に広い
- アクションの順番が異なる
- 勝率が50%である
ハンドレンジが非常に広い
ヘッズアップはプレーヤーが複数人いる時と比べて圧倒的にハンドレンジが広くなっています。
相手が1人しかいないため、通常であれば弱いハンドや役であっても勝てる可能性が高くなるからです。
ヘッズアップのハンドレンジに関しては後ほど詳しく紹介します。
ヘッズアップのハンドレンジはものすごく広くなっているので、普通のトーナメントと同じハンドレンジで戦ってしまうと、フォールドしすぎになってしまいます。
アクションの順番が異なる
MTTやブラインドヘッズとは異なり、もともとプレーヤーが2人しかいないヘッズアップでは、アクションの順番が異なります。
通常のMTTでは、プリフロップもポストフロップもSB→BBの順でアクションをしますが、ヘッズアップの場合はプリフロップではSB→BBの順ですが、ポストフロップ以降ではBB→SBの順でアクションが行われます。
ヘッズアップではSBにポジションがあるため、そこは覚えておく必要があります。
勝率が50%である
ヘッズアップはプレーヤーが2人しかいないため、勝率は50%になります。
テーブルに6人座っている場合などは勝率は20%以下になりますが、2人しかいないため勝率は上がります。
勝率が上がるため、より広いハンドでプレーすることが肯定されます。
勝率が50%以上あるならより広いハンドレンジで参加するべきですね。
ポーカーのヘッズアップ(Heads Up)を理解することが大切な理由
ポーカーでは参加人数を減らし、ヘッズアップに持ち込むことが大切だと言われています。
なぜヘッズアップに持ち込むことが大切なのでしょうか?
それは、プリフロップの段階で参加人数を少なくするほど、ハンドの勝率を保つことができるからです。
例えば、プリフロップで最強のAAを持っている場合でも、ヘッズアップなら勝率80%以上あるのに対し、3way、4wayと参加人数が増えていくにつれ、勝率は50%ほどに下がってしまいます。
そのため、プリフロップでレイズやリレイズをして参加人数を減らし、できるだけヘッズアップに持ち込むことが、勝率・期待値を上げるために大切なのです。
必然的にヘッズアップのシチュエーションでポットを争うことが多くなるので、ポーカーが上手くなりたい方はとにかくヘッズアップうのシチュエーションを勉強しましょう。
特に、BBというポジションは既にブラインドをベットしているので、参加率が高くなります。
前のポジションからレイズで参加されたときに、他ポジションはフォールドが増えますが、BBからはコールで参加するハンドレンジが多くなるからです。
そのため、まずはBBの立ち回りを知ることでロスを減らすことができ、トータル収支を上げることができます。
上手なプレイヤーは、自らヘッズアップの状況を作り出します。
前にレイズした人がいた場合、コールドコールで参加するとマルチウェイになりやすいので、3betで参加することでヘッズアップに持ち込みやすくなります。
ポーカーのヘッズアップ(Heads Up)で勝つためのコツ
ここからは、トーナメントの残り2人のヘッズアップを想定したコツをご紹介します。
※複数人テーブルにおけるヘッズアップではないため注意してください。
GTO Wizardを使って検証していきます。
- ベット頻度を増やす
- プリフロップのハンドレンジを覚える
- レイズの頻度を増やす
ベット頻度を増やす
まず、「頻度」とは、あるシチュエーションにおいてアクションを選択する時のバランスを示します。
例えば、じゃんけんでグーチョキパーを3回に1回の頻度でそれぞれ出すのがゲーム理論的に均衡解であり、バランスが取れた戦略です。
ですが、もしも相手にグーばかりを出す癖があったら、パーを出す頻度(バランス)を増やした方が勝つ確率が上がります。
ヘッズアップのときは、他のシチュエーションに比べてベット頻度を増やすのがコツです。
アグレッシブにアクションすることにより、相手をフォールドに導いてポットを獲得することができます。
たとえば、フロップがJ94の レインボー(3枚ともスートがバラバラ)だった場合で考えてみます。
9ヒットはマルチウェイだとチェックした方が安全ですが、ヘッズアップならベットした方がそのハンドの期待値が高まることがあります。
ベット頻度については、GTO WizardというGTOツールで勉強してみましょう。
プリフロップのハンドレンジを覚える
GTO WizardなどのGTOツールによって、シチュエーションごとに参加するハンドの期待値がプラスかマイナスかを調べることができます。
まずはそれに従ってプレイをすれば、チップを減らすリスクを軽減することが出来ます。
ヘッズアップのハンドレンジはかなり広く、特にSB(ポジションがある側)は8割以上のハンドで参加します。
対するBBも、通常よりレンジは広く、6割以上のハンドでディフェンスします。
このようにトーナメントにおける残り2人の時のヘッズアップは、通常とレンジが違うため要注意です。
まずは100bbの時と20bbの時のレンジを覚える・・・など、少しずつ覚えていきましょう。
複数人のMTTトーナメントのハンドレンジは別の記事で説明しています。
レイズの頻度を増やす
ベット頻度を上げて良いと話しましたが、逆に言えば、相手も通常より広いレンジでベットしていることがあります。
そのようなハンドを降ろしたり、また広くバリューを取りに行くことも可能となるので、レイズ頻度を増やしてアグレッシブにプレーすることも有効です。
ヘッズアップはレンジが広く、相手のハンドを想定するのが難しく、判断しにくいと感じるプレイヤーが多いです。
ポーカーのヘッズアップ(Heads Up)の時のハンドレンジ
先程、プリフロップのレンジを覚えることがヘッズアップでチップを減らしにくくすると話しました。
ここからは具体的に、テーブルに2人しかいない時のヘッズアップとSB vs BBのブラインドヘッズにおけるハンドレンジを紹介していきます。(出典:https://gtowizard.com/)
ハンドごとに、どのアクションで期待値が高くなるかを計算した結果が表れています。
上級者であれば、どうしてこのアクションを取るべきなのかという理由の解釈しながら勉強することが重要ですが、中級者まではまずざっくりと暗記することを心がけましょう。
- SBのハンドレンジ
- BBのハンドレンジ
- ブラインドヘッズのSBのオープンレンジ
- ブラインドヘッズのBBのハンドレンジ
SBのハンドレンジ
MTT,HU,ES30bbを想定しています。
テーブルに2人しかいない場合のヘッズアップのハンドでSBはフォールドするハンドは72oと32oのみです。
SBはBBよりもポジションがよく、ポストフロップ以降でも優位にプレーすることができるため、このようなハンドレンジになります。
一つのハンドでもレイズとコールの選択肢があり、混合戦略になっています。
混合戦略になっていてバランス良くどちらのプレーもしないといけないことが、ヘッズアップが難しいと言われる理由です。
ほとんど降りるハンドがないんですね。
そうなんです。
トーナメントのヘッズアップでは、アンティやポジションもあるためSBからはほとんどフォールドしません。
トーナメントの配信を見ているとプリフロップで降りすぎている人が多いですね。
スタック量によってハンドレンジは異なりますが、ほとんどフォールドするハンドはないと考えてもらって大丈夫です。
BBのハンドレンジ
MTT,HU,ES30bbを想定しています。
SBがコールした場合のBBのハンドレンジになります。
スートハンドが多くレイズに回っていることがわかります。
単純に強いハンドはレイズ、弱いハンドはチェックと考えてもらって大丈夫です。
一部のスートハンドの弱いところをレイズに回してブラフハンドとして使いましょう。
チェックのなかに弱いハンドを混ぜるのではなく、レイズの中に弱いハンドを混ぜることが多くなっていますね。
SBがレイズした時のBBのハンドレンジになります。
一部のオフスーテッドの弱いところ以外はコール以上のアクションをとることになっています。
本当に強いバリューハンドとブラフとして一部のスーテッドハンドがリレイズに回っています。
SBがレイズで参加したとしてもBBは約9割はコール以上のアクションをとります。
本当にフォールドするハンドは少ないんですね。
そうです。
これを覚えているだけでもヘッズアップで勝つ確率は上がると思います。
ブラインドヘッズのSBのオープンレンジ
キャッシュゲーム,100bb,8maxを想定しています。
BTNまで全員フォールドだった場合のSBハンドレンジです。
2色で表示されているハンドがありますね。
この赤色はレイズ、緑色はコール、青色はフォールドを示しています。
例えばこの場合のAAは64.8%の頻度でレイズし、35.2%の頻度でコールするのが良い、という意味です。
(※上記はGTO WizardというGTOツールを参照しています)
ブラインドヘッズのBBのハンドレンジ
以下は、100bb持ちのキャッシュゲームにおいて、SBがコールで参加した場合のBBハンドレンジです。
※この表における緑色は、SBがリンプしているため「チェック」の頻度を示します。
次に、SBがレイズで参加した場合のBBハンドレンジです。
BBなので、参加すべきハンドは幅広いですね。
赤色の部分を見ると、100%レイズすべきハンドだけでなく、頻度でレイズを返すようなハンドもあるため、注意深く勉強しましょう。
BBの3betに対するSBのハンドレンジ
以下は、SBがレイズし、BBがそれにリレイズした場合のSB側のハンドレンジです。
3betとなると、参加できるハンドがガクンと減りましたね。
暗くなっているマスは前のアクションでフォールド済みで存在しないハンドレンジです。
他にも、GTO Wizardではシチュエーション別に細かく設定することが出来ます。
設定では、キャッシュゲームかMTT(Multi Table Tournament)、スタックを何BB持ちにするか、アンティの有無などを細かく指定できます。
気になるシチュエーションがあったら当てはめて試してみましょう。
ハンド数をこなすことの他に、ツールを使いこなすことがポーカー上達の肝となっています。
実際にポーカーのヘッズアップ(Heads Up)をプレーしてみた
GTO Wizardを使ってAIを相手にヘッズアップの練習をすることができます。
今回はMTTのヘッズアップをプレイしてみました。
ソリューションライブラリから、MTT、ヘッズアップを選択してエフェクティブスタックを設定します。
より細かく設定することもできますが、今回は上記の設定でプレイしてみました。
毎ハンドごとにアクションが正しかったかをスコアで表示してくれるため、クイズ感覚でプレイすることができます。
また、左上の帽子のボタンを押すと、プレイしたスポットのハンドレンジを見ることができます。
それを復習してこのスポットでどのようなハンドでコール、フォールド、レイズをするのかを確認することができます。
ただプレイするのではなく、どのようなハンドレンジでコールしたり、フォールドしたりするのかをしっかり確認しながらプレイするべきです。
確かにこれなら僕でも続けられそうです。
毎日少しづつでもプレイし続けていくとある程度どのくらいのハンドでプレイするべきなのかを感覚的に身につけることができるので、とにかく少しづつ毎日続けることが大事です。
「継続は力なり」ですね!
ポーカーのヘッズアップ(Heads Up)に関する注意点
最後に、ヘッズアップに関して注意点を補足します。
- ブラインドチョップもある
- トナメのヘッズアップはポジションが違う
- レンジがお互いに広い
- ブラフの比率が多くなる
ブラインドチョップもある
ライブキャッシュにおいて、SBとBB以外の全員がフォールドした場合、それぞれのブラインドを下げてゲームをしないという選択をできることがあります。
これをブラインドチョップといいます。
ブラインドチョップは、海外のキャッシュゲームで見かけるもので、日本のアミューズメントカジノでは取り入れていない場所がほとんどです。
ブラインドチョップは、SBとBBの2人の合意で成り立ちます。
ルール上、強いハンドの時はブラインドチョップを断り、弱いハンドの時はブラインドチョップにするという事も違反では無いですが、マナー的に良くないとされています。
テーブルや人の様子を見て配慮には気をつけましょう。
トナメのヘッズアップはポジションが違う
今まで説明してきたヘッズアップは、キャッシュゲームを想定した例です。
トーナメントのヘッズアップ(残り2人の状況)では、BTN兼SB vs BBというポジションによる戦いになります。
アクションする順番はプリフロップはBTN(SB)から、フロップ以降はBBからになるのです。
SBがフロップ以降は、BTNとしてIP(In Position)でBBの後にアクションを取れる有利なポジションなので、上述のレンジより広く参加できます。
レンジがお互いに広い
ヘッズアップの状況だと、マルチウェイに比べて参加できるハンドが幅広くなります。
通常の複数人で始まる戦いと、ヘッズアップの時の戦いは別物と言われているので、それぞれのハンドレンジを覚えておくことが必要です。
基準として、BTN vs BBでハンドレンジを覚え、比較する形で相対的にSB vs BBやUTG vs BBを覚えていくのが定着しやすいです。
ブラフの比率が多くなる
ヘッズアップでは、お互いのハンドレンジが広いのでブラフの比率が必然的に高まります。
そのため、相手のブラフの比率が高まるとこちら側は多少ハンドが弱くても踏ん張ってコールをしたり、レイズをする必要があります。
また、ブラフ過多になってしまうとバリューで打った際捕まってしまう場合もあるので、バリューとブラフの比率を考えてベットすることが必要です。
ポーカーのヘッズアップ(Heads Up)に関するQ&A
この記事ではヘッズアップに関して説明してきました。
しかし、まだわからないことや疑問を持っている人も多いのではないかと思います。
そこでこの章では、ヘッズアップに関してよくある質問に答えていきます。
- ヘッズアップは専門に勉強するべきですか
- ヘッズアップと複数人のトーナメントの1番の違いはなんですか?
ヘッズアップは専門に勉強するべきですか
ヘッズアップはハンドレンジが複数人のトーナメントよりも複雑です。
普通のトーナメントに出ることが多いならそちらを優先するべきです。
最後の2人まで残ることを想定するならヘッズアップを練習するのも良いかもしれません。
ヘッズアップと複数人のトーナメントの1番の違いはなんですか?
ヘッズアップと普通のトーナメントではハンドレンジが大きく異なります。
ヘッズアップは2人の勝負のため、多くのハンドで参加していくことになります。
また、特定のハンドでもコールやレイズを混合するなど、一つのアクションに定まっていないことが多いです。
それがヘッズアップの難しいところであり、1番の違いになります。
混合戦略が取られるところがヘッズアップの難しいところです。
【まとめ】ポーカーのヘッズアップ(Heads Up)とは
ポーカーのヘッズアップとは、1対1でポットを争う対決の事を指します。
トーナメントで残り2人になった場合も同様にヘッズアップと呼びます。
ハンドの勝率を保つため、プリフロップでレイズやリレイズをし、参加人数を減らしてヘッズアップに持ち込むことが大切です。
BBポジションの時は参加するハンドレンジが広くなるため、勉強するならBBの立ち回りからがおすすめです。
ヘッズアップの時はマルチウェイの時に比べてベットやレイズの頻度を上げてアグレッシブにプレーする事で、チップを獲得しやすくなります。
プリフロップのハンドレンジを覚え、それに従う事でチップを減らすリスクを軽減できます。
今回紹介したGTO Wizardというツールは、無料でも十分使えるので是非ご参考にしてください。
具体的なシチュエーションのレンジやアクションを学びたい方は、StartarプランもしくはPremiumプランがおすすめです!